タリバーン批判で14歳少女銃撃は「そこにある危機への警鐘」 パキスタン外相

2012.10.12 Fri posted at 13:30 JST

イスラマバード(CNN) パキスタンでイスラム武装勢力タリバーンを批判した14歳の少女がタリバーンに銃撃された事件について、同国のラバニ外相は11日、「今そこにある危機に対する警鐘」だとの認識を示した。

渦中の少女、マララ・ユスフザイさんは9日、学校から帰宅途中に銃撃され、首都イスラマバード郊外にある軍の病院で弾丸の摘出手術を受けたが、脳浮腫を発症して意識が戻らず、11日現在も重体となっている。

事件後、同国の武装勢力「パキスタン・タリバーン運動」が犯行を認め、もしマララさんが一命を取り留めたとしても、次は必ず殺すと予告した。

マララさんは日常生活についてつづったブログの中で、女性の教育を制限しようとするタリバーンの脅迫におびえながら学校に通っているなどと書き、タリバーンを批判していた。

ラバニ外相はこの事件について、「自分たちの主張に従わせるために暴力を行使する者」に対し、パキスタン国民、そして世界中が立ち向かわなければならないと強調。少女に対する銃撃を契機として、マララさんに代表される女性の権利を認める道を選ぶのか、それとも過激派に強制された道を選ぶのかという選択を一層強く迫られると述べ、「(パキスタンにとって)今日が転機になるかもしれない」「そうなることを祈っている」と語った。

警察はマララさんを襲撃した実行犯を突き止めたとしているが、まだ逮捕には至っていない。ラバニ外相も、捜査に全力を挙げていると説明し、これまでに約100人が共謀の疑いで逮捕されたと明らかにした。

タリバーンは11日、「イスラム教とシャリア(イスラム法)への敵対を説く者は誰であれ、シャリアによって殺害されることを命じられる」との声明を出した。

マララさんは2011年、CNNのインタビューを受け、「私には教育を受ける権利がある。遊んだり、歌ったり、おしゃべりをし、市場に行き、発信する権利がある」と語り、女性への教育を制限しようとするタリバーンに対して、若者が立ち向かうように呼びかけていた。

こうした活動が評価され、昨年11月には同国が18歳未満の未成年を表彰する目的で新設した国家平和賞を受賞していた。

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