高度3万6500メートル、音速破りのスカイダイビングに挑戦

2012.10.09 Tue posted at 11:49 JST

ニューメキシコ州ロズウェル(CNN) 米ニューメキシコ州ロズウェルで現地時間の9日早朝、オーストリア人の男性が高度12万フィート(3万6576メートル)からのスカイダイビングに挑戦し、史上初となる音速破りのフリーフォールに挑む。

記録破りのスカイダイビングに挑むのは、元兵士でヘリコプター操縦士のフェリックス・バウムガートナーさん。

高度12万フィートは一般的な航空機の飛行高度の3倍に当たり、スカイダイビングでは過去最高記録となる。さらに、宇宙服とパラシュート以外は何も身に着けないフリーフォールで初の音速破りに挑戦。この高度では空気が薄いため抵抗が少なく、40秒のフリーフォールで時速690マイル(約1110キロ)に到達する見通しだ。

計画は夜明けと同時にスタート予定。バウムガートナーさんはカプセルに入ってヘリウム風船で2~3時間かけて上昇し、カプセルから抜け出してジャンプする。3万5000メートルあまりを5分足らずで降下し、地上まで5000フィート(約1524メートル)に迫った地点でパラシュートを開く。

降下速度や心拍数は、重さ約45キロの宇宙服とヘルメットに取り付けたセンサーで計測し、地上のカメラとカプセルに搭載したカメラはダイビングの様子を生中継する。,/P>

この挑戦は深刻な危険を伴う。気温はセ氏マイナス50度以下になることもあり、空気が薄いため宇宙服を着ていなければ血液が気化しかねない。フリーフォールの5分の間に意識を失えば、パラシュートが自動的に開かない限り、命はない。

超音速が人体にもたらす影響も未知数だ。ただ関係者は、空気が薄いことから衝撃波はほとんど伝わらず、人体に感じる影響はほとんどないと予想している。

これまでのスカイダイビング記録は、1960年にジョー・キッティンガーさんが米空軍の任務として行った10万2800フィート(約3万1333メートル)からのジャンプが最高だった。キッティンガーさんは今回、バウムガートナーさんのアドバイザーを務めている。

バウムガートナーさんはこれまでに、マレーシアの超高層ビル、ペトロナスタワーや、ブラジル・リオデジャネイロのキリスト像といった観光名所からのダイビングに挑んだ経験を持つ。今回の計画のために5年がかりで肉体的、精神的訓練を積んできた。スポンサーには清涼飲料水メーカーのレッドブルが付いている。

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