座席固定の緩み、こぼれ落ちた飲食物原因か アメリカン航空

2012.10.06 Sat posted at 16:04 JST

(CNN) 米大手アメリカン航空の国内便で飛行中に座席固定の留め具が突じょ緩み運航中止が相次いだ問題で、同航空の報道担当者は6日までに、機内でサービスされた飲食物が留め具に再三こぼれ落ちるなどした影響で機能が劣化し、座席固定の弛緩(しかん)につながった可能性があるとの見方を示した。

同社は先に、留め具の据え付け方法に問題があるとしていたが、報道担当者はソーダやポップコーン、コーヒーなどの飲食物が床に落ちたり、こぼれたりしたことが主因の可能性があると指摘。留め具にソーダなどが再三こぼれ落ちた場合、時間がたつうちに機能不全となる恐れがあると説明した。

座席列が緩む問題は今年の9月26日から10月1日にかけ米ボーイング社製の757型機で計3件発生。9月29日の米ボストン発、マイアミ行きの便では離陸直後に12列目の客席3席の固定が突然緩み、ニューヨークの空港に緊急着陸した。3件では負傷者はいなかったが、航空利用客の懸念を招く結果となった。

アメリカン航空が保有する同型機は計48機。問題を受けてうち42機で点検が終わり、米連邦航空局(FAA)の規定に準じた必要な修理を施したとし、座席固定の緩みは再発しないと強調した。42機は近く路線に再び投入される予定。

床に落ちた食べかすなどが原因とする同航空の主張には異論もある。航空事故を専門にする米大学教授は、今回の問題は757型機に限っており、アメリカン航空が座席の配列替えなどした機材にだけ発生している事実に注目。その上で、配列替えに問題があったのではないかと分析している。

また、操縦士や航空整備士が集まるウェブサイトでは、同航空の契約業者による整備が問題との見方が出ている。アメリカン航空では現在、職務契約の変更を巡って操縦士組合との争議が起きており、多数の就航便の欠航などが相次いでいる。同航空首脳は座席固定の緩みの問題とこの労働争議の関連性を否定している。

アメリカン航空は昨年、業績不振を受け、破産法の適用を申請し、再建の途上にある。

航空事故の原因解明などに当たる米運輸安全委員会(NTSB)は同航空の座席固定の弛緩問題を調査する考えはないことを明らかにしている。

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