(CNN) 米アップルがスマートフォンの新製品「iPhone(アイフォーン)5」の発売を前に提供開始した最新OS「iOS6」の地図アプリをめぐり、ユーザーから苦情が続出している。21日のiPhone発売で、不満の声がさらに高まるのは必至だ。
iOS6はiPhoneのほか、多機能端末の「iPad」や携帯音楽プレーヤーの「iPod touch」に搭載されているOS。アップルが19日から提供を開始した最新のiOS6では、従来搭載されていた米グーグルの地図アプリに代わって、アップル社内で開発した新しい地図アプリが搭載された。
しかし提供開始の直後から、同アプリの地図上で重要な建物などの位置や名称が違っていたり、あるはずの場所が見つからないといった問題を指摘する声が相次いだ。
例えば米首都の観光名所ワシントン記念塔は、同アプリで見ると、本来あるはずの場所から数百メートル南にずれてポトマック川付近に存在しているという。
インターネットには、川の中にある博物館や、シェークスピア生誕地の英ストラトフォード・アポン・エイボンの存在を否定した画面などのスクリーンショットが掲載された。オーストラリアのシドニーにあるアップルの直営店は、道路の反対側に表示されるという。
公共交通機関の経路案内や駅の案内がなくなったことに対しても不満が噴出している。グーグルの地図では、個々の駅についてバスや列車の時刻表を見ることが可能だった。
アイルランドの司法相は、首都ダブリン郊外の住宅地にある農場が、アップルの地図では空港になっていると指摘、航空機の運航に危険を及ぼす可能性があるとして懸念を表明した。
こうした苦情についてアップルの広報はIT情報サイト「All Things D」に対し、「『アップル・マップス』は当社初の地図サービスであり、革新的な新機能を提供している。これはまだ始まったばかりだ。マップスはクラウドベースのサービスであり、使う人が増えるほど良くなっていく」とコメントした。
同アプリのための地図情報を提供した提供したオランダのトムトム社はCNNに対し、同アプリの問題はトムトムに原因があるわけではないと話している。