米NYでの「パワーランチ」 グルメガイド創業者が薦める3店

生ハムやサラミにガーキンきゅうりを添えた一皿。フォーシーズンズは確かに高いが、取引相手の心をつかむには最高の店といえる=同店提供

2012.10.08 Mon posted at 09:00 JST

ニューヨーク(CNN) 「相手のハートをつかむには胃袋をつかめ」――恋愛だけでなく、ビジネスにも通じる言葉だ。「パワーランチ」という言葉が生まれたとされる街ニューヨークでは、レストランの選択が商談の中身と同じ重みを持つことさえある。

パワーランチとは、ビジネスミーティングを兼ねた昼食のこと。全米の個人消費が停滞するなか、ニューヨークのレストランでは会社負担のミーティングが好調を支えているようだ。レストランなどの格付けガイド、ザガット・サーベイの共同創業者ティム・ザカット最高経営責任者(CEO)によると、この街では金融危機のさなかでも、ぜいたくなパワーランチが当たり前の光景だった。

「店内は満席、ランチは全員100ドル(約7800円)以上。そんな店も30~40軒はすぐに思いつく」と話すザカット氏に、予算別のお薦めレストランを訪ねた。

フォーシーズンズ

ミッドタウンの超有名レストラン。80年代にウォール街の有力者や映画監督の間で人気を誇った。今も「予算に制限がないなら、この店しかない」とザガット氏。「ランチに100ドルかけても、100万ドルの商談がまとまれば何の問題もないはず」という理屈だ。

もちろん料理の値段だけでなく、店内の装飾から食器類までどれを取っても一流だが、なんといっても驚くのがその客層。「ランチタイムの店内は見たことのある顔ばかり。タイム誌の表紙をずらりと並べたかのよう」だという。

セントラルパークのすぐ隣にある三つ星レストラン、ジャン・ジョルジュ。アジアの味を取り入れたフランス料理が楽しめる。ランチタイムには38ドルのお得なセットメニューも=同店提供

ジャン・ジョルジュ

無制限の予算がなくても、おしゃれでおいしいレストランはたくさんある。多くの店ではビジネス客向けに、定額のランチメニューを用意している。

中でもザガット氏のお薦めは、セントラルパーク近くのトランプ・インターナショナル・ホテル内にあるジャン・ジョルジュ。ミシュラン・ガイドで三つ星を獲得したレストランだが、38ドルで「マスとカキのカルパッチョ」に「シビレ(牛の胸腺)の春タマネギとハイビスカス添え」といったランチセットを楽しめる。

このレストラン、実は過去5年間でザガット氏が一番よく通った店だという。

スタンダード・グリル

ダウンタウンのカジュアルなレストラン。IT業界の未来の主役たちが、Tシャツとジーパン姿で訪れる。

時代の最先端を走る当店のメニューは、メーン料理が15ドル前後。取引相手と経理担当者をどちらも喜ばせることができるだろう。

一帯はかつての食肉問屋街が再開発された地区だ。「アメリカン・ビストロ」をコンセプトとするメニューには、職人手作りのソーセージやハムとともにアメリカらしいハンバーガーやステーキが並ぶ。

マイケル・ベイリー店長は「セクシーでファッショナブルな、若いお客様が中心です」と胸を張った。

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