若者のクルマ離れ、米国でも進む ネットや携帯が原因?

2012.09.18 Tue posted at 11:37 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 米国の新車購入者に占める18~34歳の割合が、過去5年で30%落ち込んでいることが、自動車販売サイトを運営する米エドムンド・ドット・コムのまとめで分かった。

この背景として、不況が特に若者を直撃しているとの見方がある一方で、もっと大きな社会的変化を反映したトレンドだとの見方もある。

カーシェアリングの「ジップカー」など必要な時だけ車を利用できるサービスが普及したことにより、高い保険料を払ってそれほど頻繁に乗らない車を保有する必要はなくなった。

さらに大きな要因として、インターネットのソーシャルメディアの台頭に伴い、車を持つことの社会的重要性は薄れている。車に乗って出かけて行かなくても、ネットを通じて人と会ったり交流したりできるようになり、「かつて我々が車でやっていたことを、今の若者はインターネットでやっている」と専門家は分析する。

運転免許取得年齢の引き上げ、乗車人数の制限、携帯電話の使用規制など、車をめぐる規制も強化される中で、「自由」を与えてくれる存在としての魅力は、車よりもインターネットの方が大きくなったのかもしれない。

コンサルタント大手デロイトの調査では、18~24歳の若者の46%が、車を持つことよりもインターネットに接続することの方を選ぶと回答した。同社の専門家は「私にとって、自動車に乗ることは友人に会いに行くことだった」「彼ら(若者)にとって、車は自分を友人から切り離す存在だ」と指摘している。

米自動車大手ゼネラル・モーターズの広報は「(かつては車が)通過儀礼だった。今は携帯電話がなくてはならないものになった」と話す。

ベビーブーマー世代にとって、車の購入、大学卒業、結婚、自宅購入、子どもを持つことは、30歳までに達成すべき5大通過儀礼だった。しかし現在、30歳以下の層でこのすべてを達成しているのは40%に満たない。

さらに、ベビーブーマー世代の30%が「車大好き」を自称し、「カマロ」「コルベット」「ジープ」などの目立つ車を購入していたのに対し、車好きを自称するの若者は15%に満たず、購入するのもより実用的なモデルだという。

それでも自動車メーカー各社は、景気が良くなれば若者もまた車を買ってくれるようになると期待をつなぐ。「誰もが都会に住んでいるわけではなく、車なしではやっていけない」とエドムンドの担当者は言う。

一方、自動車関連でコンサルタント業務を行う米デロイトの専門家は、車なしの生活が長引くほど、若者はその生活に慣れてしまうだろうと予想している。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。