米陪審、サムスンの特許侵害を認定 損害10億ドル以上 「アップルの大勝利」

2012.08.25 Sat posted at 11:42 JST

(CNN) スマートフォン(高機能携帯電話)をめぐり米アップルと韓国サムスン電子との間で争われている特許訴訟で、米カリフォルニア州の連邦陪審は24日、サムスンがスマートフォンを開発する過程でアップルの複数の特許を「意図的に」侵害したと認定し、アップルの損害額を10億ドル以上とする評決を下した。一方、アップルに一部特許を侵害されたとするサムスンの主張は退けられた。

アップルは、同社の多機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」とタブレット端末「iPad(アイパッド)」のデザインをサムスンが模倣したとし、27億ドルの損害賠償を要求していた。それに対し、サムスンはアップルが5件の特許を侵害したとして5億1900万ドルの賠償を要求していた。

この特許訴訟で、韓国の裁判所は24日、アップルとサムスンが互いの特許を侵害したと認定し、両社の一部製品の販売差し止めと、損害賠償を命じた。

今回の評決について、スタンフォード大学教授のマーク・レムリー氏は、「アップルの大勝利」とし「今回の賠償額は、特許訴訟の評決としては過去最高」と語った。また24日の時間外取引で、アップル株は12ドル以上上昇し、675ドルを突破した。

サムスンの携帯端末「ギャラクシー・タブ」

評決を受け、アップルは特許侵害と認定されたサムスンの一部機種の販売差し止めを求める可能性があり、そうなればサムスンはそれらの機種の回収を余儀なくされる。その場合もすでに販売された製品が回収されることはないが、画面構成や機能を変更するためのアップデートが行われる可能性はある。

またアップルは多くの重要な特許について裁判所のお墨付きを得たことから、今後「アンドロイド」を開発したグーグルや、アンドロイドを搭載したスマホやタブレットのメーカーを提訴する可能性もある。

アンドロイドはメーカーによって若干の違いはあるが、ほとんど同じであるため、アンドロイド端末メーカーがサムスンと同様の特許侵害でアップルに訴えられる可能性は否定できない。またグーグルもアンドロイドのユーザーインターフェースの変更を余儀なくされる恐れがある。

サムスンは、今回の評決は消費者の選択肢を減らし、技術革新を妨げ、製品価格の上昇を招く恐れがあり、米国の消費者にとって損失だと批判。一方アップルは、「(評決は)盗作が誤りであるとの明確なメッセージ」と評価した。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。