2050年の市民所得上位はアジアが独占、日本は低成長国の筆頭に

シンガポールの夜景=シンガポール観光局提供

2012.08.21 Tue posted at 12:59 JST

香港(CNN) アジアの国と地域が2050年までに市民の所得の高さで世界トップ級に浮上する一方で、日本は低成長国の筆頭となる見通しだ。英ナイト・フランクと米シティグループ系の金融機関がまとめた世界の富裕層の動向報告書2012年版で明らかにした。

それによると、2010年から50年までの40年間で、市民の1人当たり所得はシンガポールが13万7710ドル(約1090万円)となり、世界首位に浮上する見通し。

次いで香港(11万6639ドル)、台湾(11万4093ドル)、韓国(10万7752ドル)の順となり、アジアの国と地域が上位を占める。欧米諸国のうち上位5位に残ったのは米国のみで、1人当たり所得は10万802ドルの予想だった。

購買力平価でみると、シンガポールの1人当たり所得は2010年の時点で既に推定5万6532ドル(約449万円)と世界最高の水準に達している。次いでノルウェー(5万1226ドル)、米国(4万5511ドル)、香港(4万5301ドル)、スイス(4万2470ドル)の順となっている。

日本は低成長国の筆頭に

1980年代に大西洋中部にあった世界経済の「重心」は、2050年にはインドと中国の中間あたりの地点に移ると予想した。

世界有数の富豪の中には既にアジアに移住する動きも出ている。

フェイスブック共同創業者でブラジル出身のエドゥアルド・サベリン氏は2009年にシンガポールに移り住んで米国の市民権を放棄した。著名投資家ジョージ・ソロス氏とともにクォンタム・ファンドを創設したジム・ロジャーズ氏も、米ニューヨークの自宅を売り払って07年に同国に移転している。

世界の富も2050年までにアジアへのシフトが進む見通しだ。目覚ましい経済成長が予想される筆頭国はナイジェリア、インド、イラク、バングラデシュ、ベトナム、フィリピン、モンゴル、インドネシア、スリランカ、エジプトが挙げられ、上位10カ国中7カ国をアジアが占めた。

一方、「旧世界」の経済活動は成長の低迷が予想され、中でも人口の高齢化が進む日本は最も成長が見込めない国の筆頭とされた。次いでスペイン、フランス、スウェーデン、ベルギー、スイス、オーストリア、オランダ、イタリア、ドイツの欧州諸国も低迷が予想されている。

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