(CNN) 五輪公式ソングを歌ったミューズや、ザ・フーのステージをカット――。米国でロンドン五輪の独占放映権を握っていたNBCテレビが、閉会式の模様を途中で切り上げたことに対し、視聴者らはインターネットの交流サイト(SNS)などで不満を爆発させた。
NBCは12日、五輪閉会式の模様を録画放送で伝えていたが、新番組のコメディーが始まる時間に放送を打ち切った。その結果、レイ・デイビス、ミューズ、ザ・フーといった大物アーティストのステージがカットされてしまった。
短文投稿サイト「ツイッター」では、「訳が分からない。録画放送なのに事前に計算できなかったのか」との疑問が指摘された。「ザ・フーなど大物の枠を横取りするなんて、新番組から視聴者を遠ざけるのにこれ以上の方法はない」と皮肉るツイートもあった。
NBCは新番組終了後にザ・フーによるパフォーマンスを放送したものの、視聴者の不満は収まらなかった。現時点で、NBC側からこの件に関するコメントは出ていない。
NBCの五輪報道をめぐっては、夜のプライムタイムの視聴率を上げる効果を狙い、人気競技を録画放送する方針を通したことが、ネット上で批判の的となっていた。
英紙のロサンゼルス特派員がツイッターでNBCを非難し、苦情のあて先として同社幹部の社用メールアドレスをつぶやいたのに対し、NBC側が「個人情報の投稿はルール違反だ」と主張。同特派員のツイッターアカウントが一時的に停止される騒ぎもあった。
また、競泳の新星メリッサ・フランクリン選手が金メダルを取った際、レースの模様が録画で放送される前に、情報番組の予告編で結果が流れてしまうミスもあった。
NBCのコメンテーターによれば、2016年のリオデジャネイロ大会は米国との時差が小さく、今回のような問題が起きる恐れはないという。ただし、14年冬季五輪が開催されるロシアのソチと米東海岸との間には、8時間の時差がある。