激戦続く大都市アレッポ、互いが優位を主張 シリア

激しい戦闘が続くアレッポの郊外

2012.08.09 Thu posted at 12:39 JST

シリア・アレッポ(CNN) 内戦状態が続くシリアで8日、最大都市アレッポのサラディン地区での戦況をめぐり、アサド政権側と反体制派の見解が対立、お互いに優位を主張している。

英国に本拠を置く反体制派のシリア人権監視機構によれば、政府軍は8日にサラディン地区への地上からの攻撃を開始。一度は地区内に侵攻したものの、反体制派の激しい抵抗に遭い、一部は撤退したという。

武装反体制派、自由シリア軍の関係者もCNNに対し、200人の政府軍が戦車の支援を受けつつサラディン地区に入ろうとしたが撃退されたと述べた。少なくとも戦車と装甲車が1台ずつ破壊され、政府軍兵士32人と反体制派の兵士3人が死亡したという。別の関係者によれば、破壊された政府軍の戦車は4台だったという。

一方シリア国営テレビは「われらが勇敢なる軍隊はサラディン地区でテロリストの残党の掃討を続けている。サラディン地区では数百人のテロリストの死者が出た」とアレッポ発で伝えた。

国営テレビはまた、サラディンでの戦闘で政府軍が「シリア国籍でない傭兵」を含む「テロリスト」を殺害または拘束したとも伝えている。

アサド大統領

一方、4日にシリア国内でイラン人48人が反体制派に拉致された事件を受け、イラン政府高官は周辺諸国を訪問。解放に向けた協力を求めた。

イラン国内の報道では当初、拉致された48人は巡礼者だと伝えられていた。だがその後、自由シリア軍が犯行を認めるとともに、拉致した48人にイランの革命防衛隊のメンバーが含まれていたと発表した。

この点についてイラン学生通信はイランのサレヒ外相の発言として、巡礼の中に革命防衛隊の元隊員が含まれていたと伝えた。外相によれば、「シリア国内の聖地を訪れたいとの思いが強すぎて、巡礼を止めることができなかった」という。

イラン最高安全保障委員会のジャリリ事務局長は7日、シリアを訪問して両国の結束を誇示した。シリア国営メディアによれば、ジャリリ事務局長はアサド大統領と会談し、「敵」がシリアに介入することは認めないと述べたという。アサド大統領を撮したビデオが放映されるのは今月下旬以来初めてのことだった。

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