(CNN) インターネットの交流サイト(SNS)最大手のフェイスブックは1日、6月末の時点で、過去1カ月間のフェイスブックの利用者9億5500万人のうち、8.7%にあたる8309万人が重複もしくは虚偽のアカウントでアクセスするユーザーだったと発表した。米証券取引委員会(SEC)への報告書の中で明らかにした。
同社のジョー・サリバン最高セキュリティー責任者(CSO)は、CNNとのインタビューの中で、「虚偽のアカウントについては、発見して停止するため大きな努力をしている」と述べていた。
この8300万件のアカウントの持ち主たちはいったい何者なのか。フェイスブックでは、これらのアカウントを3つに分類している。「重複アカウント」と「分類が不適切なアカウント」、そして「望ましくないアカウント」だ。
最も多い「重複アカウント」は全アクティブ・ユーザーの4.8%を占め、数にして約4580万に達するという。フェイスブックの利用規約では、開設できるアカウントは1人につき1つだけだ。
他人の代わりにアカウントを開設したり、親が幼い子どものアカウントを開いたりすることはできない。フェイスブックは13歳未満の子どもによる利用も認めていない。
2つ目に多い「分類が不適切なアカウント」(同2.4%、2290万件)は、企業やグループ、ペットなどのアカウントだ。企業の場合、個人用のプロフィルではなくビジネス用「フェイスブックページ」を開設することが必要だ。こうしたケースでは、間違いに気づいて申請すれば、新しいページへの移行が可能だという。
そして数は少ないが問題なのが「望ましくないアカウント」(同1.5%、1430万件)だ。スパムメールの送信といった違反行為を行うために作られたアカウントだとフェイスブックはみている。
同社は報告書の中で、「重複や虚偽のアカウントの割合は、米国やオーストラリアといった先進国の市場ではかなり低く、インドネシアやトルコといった途上国市場では高いと考えている」と指摘する。この数はサンプル調査からはじき出されたものだが、フェイスブックは実際の数とほぼ同じくらいだろうとみている。
同社は、虚偽のアカウントに関しては利用を停止し、関連する情報を全て人の目に触れるところから消去している。「念のため」サーバーからアカウントを削除してはいないそうだが、依頼があっても過去のデータを取り戻すことはできなくなるという。