50年後、ジョブズ氏は人々の記憶から消える? 人気作家

半世紀後にはジョブズ氏のことは忘れ去られる?

2012.06.11 Mon posted at 09:41 JST

(CNN)  歯に衣着せぬ物言いで知られるベストセラー作家マルコム・グラッドウェル氏の発言が注目を浴びている。同氏によれば、半世紀後に人々が名前を記憶している企業家は、米マイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツ氏であり、ゲイツ氏のライバルで米アップルを率いたスティーブ・ジョブズ氏については、はっきりとは覚えてないという。ただ、その理由は「お金」の面が大きそうだ。

グラッドウェル氏はさきごろ、カナダ・トロントで行われたイベントで、今から50年後、人々が、ゲイツ氏は敬愛しているものの、ジョブズ氏のことははっきりとは覚えていないだろうとの見方を示した。

グラッドウェル氏は「この時代の偉大な企業家のうち、ジョブズ氏は忘れられているだろう。しかし、第三世界には、ゲイツ氏の像があちこちに建っているはずだ」と指摘。そう考えられる理由として、ゲイツ氏がアフリカ地域のマラリアの撲滅に向けて資金を投じていることを挙げた。ゲイツ氏の慈善財団はこれまで、マラリア撲滅など世界中のさまざまな活動やプロジェクトなどに20億ドル以上の資金を提供している。

グラッドウェル氏は「企業家を尊敬するなら、尊敬する理由を明確にする必要がある」と語る。

グラッドウェルは、ジョブズ氏の功績が人々の記憶に残らないと考える理由は詳しく述べなかったが、ジョブズ氏に対して、いくつか批判的なコメントをした。

「(ジョブズ氏の)アイデアはどれも他人のアイデアの受け売りだ。彼はただ最初に公表したにすぎない。また何でも自分の手柄にした。まったく恥知らずだ。彼は非常にすばらしい実業家であり企業家だったが、同時にまれに見る自己推進者だった」

しかし一方でグラッドウェル氏は、ウォルター・アイザックソン氏が著したジョブズ氏の伝記に興味をそそられたと語った。グラッドウェル氏が特に興味を持ったのは本の終盤、ジョブズ氏が死の床につきながらも、デザインが気に入らないという理由で酸素マスクの装着を拒否した場面だという。

グラッドウェル氏は「彼にとっては(マイクロソフトのOS)『ウィンドウズ』で最後のメールを送るようなものだったのだろう。誰でも超えられない一線というものがある」と述べ、観客の笑いを誘った。

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