シファ病院からイスラエル軍撤収、攻撃の跡はさながら「ホラー映画」

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イスラエル軍による攻撃により、ガザ地区シファ病院近くから煙が上がった=3月23日/AFP/Getty Images/File

イスラエル軍による攻撃により、ガザ地区シファ病院近くから煙が上がった=3月23日/AFP/Getty Images/File

(CNN) イスラエル軍は1日、パレスチナ自治区ガザ地区北部のガザ市にあるシファ病院から撤収した。ガラント国防相は、同病院の「テロ拠点」が一掃されたと発表し、軍の功績をたたえた。

イスラエル軍は、2週間にわたったシファ病院での作戦でイスラム組織ハマスの戦闘員らを殺害し、武器や文書を押収したと主張した。

イスラエル軍のハガリ報道官は、同病院で戦闘員とみられる900人を拘束したと発表した。このうち500人以上はハマスまたはパレスチナの武装組織「イスラム聖戦」のメンバーであることが確認されたという。ハガリ氏は、拘束者の中に司令官やそのほかの幹部が含まれていたと述べた。

イスラエルとハマスの軍事衝突が始まってからの半年間で、シファ病院が攻撃を受けたのは昨年11月に続き2回目。ガザ保健省によると、今回の攻撃が始まった先月18日の時点で病院内には約3000人が収容されていた。

イスラエル軍は11月の攻撃が成功したと宣言し、1月にはガザ北部でハマスの指揮系統を完全に解体したと発表していた。ハマスがその後、再び同病院に戻ったため、新たな攻撃を仕掛けたという。病院内外での攻撃は「高精度」の対テロ作戦で、民間人への被害を最小限にとどめるよう最善を尽くしたと主張している。

一方、ガザの文民保護当局によると、シファ病院の敷地内には300人以上の遺体が散乱し、医療チームが収容作業を続けている。

イスラエル軍が遺体を病院の内外に埋めたり、周囲の道路をブルドーザーで掘り返したりしたため、死者の正確な人数を把握することは難しいという。

文民保護当局の現場責任者はCNNとのインタビューで、市内の道路が破壊され、救急車が病院に到達するのは「ほぼ不可能」だと訴えた。

パレスチナ自治政府が運営する通信社WAFAのジャーナリストでCNNの記者も兼ねるカデル・ザアヌーン氏は、イスラエル軍が撤収した後のシファ病院の様子を「ホラー映画」のようだと表現した。病院の周囲や庭のあちこちに、ブルドーザーにひかれた遺体が散乱しているという。

同氏によると、病院周辺の複数の民家で、皆殺しにされた一家の腐乱遺体が見つかった。

病院内の生存者は栄養失調に陥っている。1日にボトル1本の水を6人で分け合っていたという例もある。

ガザ文民保護当局の報道官は1日、シファ病院が完全に破壊されて焼け落ち、建物の中で原型をとどめない遺体や黒焦げの遺体が多数見つかっていると述べた。30人あまりの負傷者が、ガザ市東郊の別の病院へ運ばれたという。

現地からの画像には焦げたり、穴が開いたりした病院の建物が写っている。CNNが入手した映像では、がれきに半分埋まった複数の腐乱遺体が確認された。

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