イエメンの外国大使館、首都離れ加速 前指導者いるアデンへ

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湾岸諸国が大使館を首都サヌアから南部のアデンへ移しているという

湾岸諸国が大使館を首都サヌアから南部のアデンへ移しているという

(CNN) イスラム教シーア派の武装勢力「フーシ派」が権力掌握を宣言した中東イエメン情勢で、ペルシャ湾諸国が大使館を首都サヌアから南部のアデン市に移す動きが目立ってきた。

フーシ派の軍事的圧力で辞任に追い込まれ、サヌアで軟禁状態に置かれていたハディ暫定大統領は先月21日に脱出してアデンに移動。大統領辞任を撤回し、フーシ派が首都侵攻した昨年9月以降に発表した政治決定の無効を宣言する対抗姿勢を打ち出している。

ハディ氏に近いイエメン外務省の複数の当局者によると、アラブ首長国連邦(UAE)とクウェートが先月27日、大使館をアデンに開設した。前日にはサウジアラビアとカタールも大使館館員をアデンに移している。

サウジアラビア大使は先月27日、アデンの治安情勢は安定しており、サヌアで大使館業務を再開することは非常に困難との見方を表明。イエメン外務省当局者によると、エジプト政府も今後数日内にアデンに大使館を設ける意向を示している。

フーシ派の首都制圧に欧米諸国も危機感を募らせ、外交要員の引き揚げなどを実施している。米国や多数の欧州諸国は大使館業務の中断に踏み切った。

イエメンはイスラム教スンニ派が多数派。フーシ派と他のシーア派勢力は10年以上にわたって中央政府と武装衝突を繰り返してきた。

フーシ派の政権奪取宣言を受け、国連は特使をイエメンに派遣し国内和解の調停作業に当たらせている。しかし、大半の政党がフーシ派との協議からの離脱を先月27日に発表する膠着(こうちゃく)状態に陥った。国連特使は、ハディ氏が依然、憲法上の大統領であり、同氏を排除しての協議は解決策に成り得ないとの考えを示した。

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