5歳少女が救命艇に乗れず死亡――伊客船事故犠牲者の最期が明らかに

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海上には船体引き揚げ作業にあたるダイバーが寝泊りする施設(左)が浮かんでいる

海上には船体引き揚げ作業にあたるダイバーが寝泊りする施設(左)が浮かんでいる

ミュージシャンのジュゼッペ・ジローラモさんは幸運にも救命ボートに乗船できたにもかかわらず、その席を他人に譲り、自分は水死した。

この事故では同船のフランチェスコ・スケッティーノ船長が過失致死や職場放棄などの疑いで取り調べを受けていた。検察は船長のほか、乗員など5人を起訴する方針だ。このうち最後まで船に残って当初英雄扱いされた乗員は、避難の手助けをしなかったとして職務を怠った罪に問われている。

ジリオ島の住民の間では事故の記憶はまだ生々しい。窓の外を見ればコンコルディアの残骸が目に入る。「タイタニック」の悲劇から100年たった今もなお、救命ボートが足りなかったという事実に住民はショックを受けている。

座礁現場ではダイバー111人が24時間態勢で船体の引き揚げに向けた準備作業を進めている。船体を立て直して陸地まで曳航し、解体する計画だが、順調に進んだとしても撤去までには2年近くかかる見通しだ。

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