「入国禁止」の発言も修正、本選へ穏健化の兆し トランプ氏

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直近の世論調査では民主党のクリントン氏がリードしている

直近の世論調査では民主党のクリントン氏がリードしている

トップ交代の影響はすぐに表れた。陣営ではそれまで手薄だった選挙資金集めが本格化し、トランプ氏本人は先週、事前に原稿が用意された演説で、今までになく簡潔で筋の通ったクリントン氏批判を展開した。連邦最高裁で先週、オバマ大統領の移民制度改革を無効とする判断が下った際も、従来のように「国境に壁を立てる」「不法移民を追い出す」などと声高に叫ぶことはなかった。

トランプ氏は先月初めに共和党候補に確定してからも、ルワンドウスキ氏の解任までは過激な発言を繰り返していた。しかし本選へ向けて支持率を上げることはできず、最近の世論調査ではクリントン氏に5~12ポイントの差をつけられている。トランプ氏に好感を持っていないと答えた人は全体の約6割を占め、この状況が好転する気配はみられない。

マナフォート氏の指揮の下、党幹部の懸念を払しょくしてトランプ氏をより「大統領らしい」候補者に仕立てようとする努力は、今ようやく始まったばかりだ。

一方で、トランプ氏がそう簡単に従う人物でないことも事実。これまで忠誠心を重んじる姿勢を強調してきただけに、支持者への裏切りとも取れる方向転換には応じられないようだ。イスラム教徒の入国禁止案をめぐるCNNとのインタビューでも提案自体の撤回は拒否し、ブルームバーグ・ポリティクスでの発言の後も「大量送還という言葉は好まないが、法律はきちんと施行するべきだ」とツイートした。

27日にはNBCニュースの番組で「私は私のやりたいようにやる」と表明。民主党の副大統領候補の1人で先住民にルーツがあるとするエリザベス・ウォーレン上院議員を「ポカホンタス」と呼ぶなど、「トランプ節」の健在ぶりをみせている。

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