ビンラディン殺害の「武勲」の元米兵 年金や保険ない生活苦
昨年9月に除隊し、コンサルティングの仕事をしているが、いつまで続くかは不明とも説明。子どももいるこの元隊員は妻と別れたが、節約のため2人は今なお同じ民家に住み、良好な関係にあるという。
同記者は、戦闘任務に明け暮れていた元隊員はなじみのない民間生活への適応を迫られているとし、「家族を養うことに苦悩を抱いていると思う」と述べた。除隊に伴い、家族も対象だった健康保険も打ち切られた。軍歴が20年に満たなかったため年金受給の資格も逃した。武勲も元同僚らの間で知られるだけで、社会的な評判とは無縁な生活を送っているとしている。
ビンラディン容疑者殺害作戦は、書物や映画、ビデオゲームの題材になり数百万ドルの金も手にする人物も生まれたが、この隊員はこれらのビジネスには一切関与しなかった。SEAL隊員としての仕事への忠誠心や家族の安全などを考えた結果だった。自分の名前が社会に知られた場合に起きる事態を危惧(きぐ)してもいたという。