ロシアの情報戦に柴犬で対抗、ウクライナ支援の「NAFO」はユーモアが武器

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「NAFO」にはウクライナ支持者だけでなく、ジャーナリスト、学者、アナリスト、兵士も加わる/Petras Malulas/AFP/Getty Images

「NAFO」にはウクライナ支持者だけでなく、ジャーナリスト、学者、アナリスト、兵士も加わる/Petras Malulas/AFP/Getty Images

(CNN) エストニアのカヤ・カラス首相が北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の前日ツイッターに投稿した動画は、一見、何の変哲もなさそうに見える。しかし動画の中でカラス首相は「史上初のNAFO首脳会議」に祝意を伝えていた。

動画の終盤、ウクライナ国旗の青と黄色をまとった漫画のような犬の姿が、カラス首相の背後に現れる。

NAFOはSNS上でロシアと戦うオンラインボランティア組織「北大西洋フェラズ機構」の頭文字。リトアニアの首都ビリニュスでこのほど首脳会議が開かれ、同国外相が開幕を宣言した。

NAFOのボランティア軍団は、言葉巧みにロシアの戦争に対するあざけりや荒らしを展開し、信用を失墜させる。主な戦場はツイッターとテレグラムで、ウクライナの支持者の間で相当数のファンを獲得し、世界の指導者の注目を集めている。

エストニアのカラス首相が話すツイッター動画の背後にはウクライナ国旗の色の服を着た柴犬の画像がひょっこり現れる/Petras Malulas/AFP/Getty Images
エストニアのカラス首相が話すツイッター動画の背後にはウクライナ国旗の色の服を着た柴犬の画像がひょっこり現れる/Petras Malulas/AFP/Getty Images

こうしたボランティアは「フェラズ」と呼ばれ、ウクライナ軍の装備をまとった柴犬のイラストをアバターやプロフィル写真に使用。さまざまな制服やメガネや兵器で柴犬に個性を持たせる。フェラズの中にはウクライナの兵士もいて、前線で戦いながら戦場の写真を提供し、ロシア軍の無能ぶりをけなしたり、ウクライナ兵の勇敢さをたたえたりしている。

NAFOは2022年5月、カミル・ディシェフスキ氏が資金集めの一環として設立。ウクライナの義勇兵「ジョージア軍団」のために寄付した人に、犬のアバターを提供している。

フェラズたちは、ロシアのプロパガンダやロシア寄りのシンパを見つけると、合成画像やユーモア、皮肉、揶揄(やゆ)のコメント投稿で対抗する。NATOにならい、相互防衛を定めた第5条を発動してフェラズ同士で応援を呼びかけることもある。

何もかも馬鹿馬鹿しいと感じのなら、それは正しい。だが偽情報やプロパガンダに詳しい専門家によれば、偽情報に対抗する情報戦争ではユーモアが強力な武器になる。

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