鳥山明さん死去、68歳 「ドラゴンボール」シリーズの生みの親

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愛知県清須町で撮影された鳥山明さんの写真/Atsushi Onodera/The Yomiuri Shimbun/AP

愛知県清須町で撮影された鳥山明さんの写真/Atsushi Onodera/The Yomiuri Shimbun/AP

東京(CNN) 絶大な人気と影響力を誇る「ドラゴンボール」シリーズを生み出した日本の漫画家、鳥山明さんが先週、脳疾患のため68歳で亡くなったことが分かった。鳥山さんのプロダクションが8日、明らかにした。

鳥山さんは孫悟空を主人公とするこの武術ファンタジーの生みの親だった。悟空は超人的な力とサルのような尻尾を持って宇宙からやって来た少年で、七つのドラゴンボールを探す旅に出る。

「ドラゴンボール」シリーズは今に至るまで日本最大の世界的ヒット作の一つであり続けており、1980年代の連載開始以来、漫画を愛する世界中の少年少女や大人の心をつかんできた。

鳥山さんの死去については8日、バードスタジオとカプセルコーポレーション・トーキョーの共同声明の形でドラゴンボールの公式サイトに発表された。

声明では「熱心に取り掛かっていた仕事もたくさんあり、まだまだ成し遂げたいこともあったはずで、残念でなりません」とコメント。

「ただ、故人は漫画家としていくつもの作品を世に残して参りました」と言い添え、鳥山さんに代わってファンの支持に感謝の意を表明した。

死因は脳出血の一種の急性硬膜下血腫だという。

鳥山さんは1955年4月5日、愛知県清須市に生まれ、23歳で漫画を描き始めた。

漫画家としてのデビューは78年。漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」に短編を応募したのがきっかけだった。

スペイン・バルセロナのイベントで展示された「ドラゴンボールZ」のグラフィック=2019年/Paco Freire/Sipa/AP
スペイン・バルセロナのイベントで展示された「ドラゴンボールZ」のグラフィック=2019年/Paco Freire/Sipa/AP

その後84年に「ドラゴンボール」シリーズが同誌に掲載され、40年以上にまたがる創作活動の柱になった。

このシリーズは中国の古典小説「西遊記」に基づく作品で、後にアニメ化されたほか、2009年公開のハリウッドのアクション映画「DRAGONBALL EVOLUTION」の原作にもなった。

七つのドラゴンボールを探す旅に出た悟空はその道中、悪者を次々と倒して地球を守る。悟空が年を取るにつれ、物語はその子孫や友人に軸足が移る。

ドラゴンボールを集めると、どんな願いでもかなえる能力を持つ神龍(シェンロン)を召喚できる。勇気と友情、親族関係を中心に展開するシリーズの中で、悟空は何度も友人たちの願いをかなえ、大きく破壊された地球をよみがえらせる。

鳥山さんの長年の友人だった著名な作家兼ゲームデザイナー、堀井雄二さんは人気ゲーム「ドラゴンクエスト」に二人三脚で取り組んだことに言及。「信じられない気持ちでいっぱいです」とX(旧ツイッター)に書き込んだ。

漫画「ONE PIECE」の作者である尾田栄一郎さんは、もう二度と会えないと思うと「悲しみが押し寄せてきます」と記した。

少年ジャンプのサイトに掲載された尾田さんの声明には、「(鳥山さんは)漫画なんて読むとバカになるという時代からバトンを受け取り、大人も子供も漫画を読んで楽しむという時代を作った一人でもあり、漫画ってこんな事もできるんだ、世界に行けるんだ、という夢を見せてくれました」とつづられている。

インターネット上でも、多くのファンが漫画の巨匠の死を悼んだ。

あるファンはXに「ドラゴンボールは僕の人生の教科書でした。明るく楽しみながら取り組めばどんな辛いことも乗り越えられると教えてくれました」とつづっている。

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