猫の手術以外の避妊法、米研究チームが開発 増えすぎ防ぐ有望な手段になるか

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実験に参加した猫の「ジャック」/Cincinnati Zoo & Botanical Garden

実験に参加した猫の「ジャック」/Cincinnati Zoo & Botanical Garden

研究チームは避妊法の研究のため、メス猫9匹を研究対象に選び、問題のホルモンの遺伝子を症状の軽いウイルスに乗せて6匹に注射した。このウイルスが到達する筋肉細胞は極めて寿命が長いことから、遺伝子も長期間持続する。

この遺伝子を注入しても、猫たちのゲノムに変化はなかった。「我々は基本的に、たんぱく質を作るための設計図を導入している。しかしそれはこの動物のDNAには組み込まれていない」(ペピン氏)

一方でこの遺伝子によって、猫の体内で卵胞の発達を妨げるホルモンが生成された。卵子を取り巻くこの細胞が成熟しなければ排卵は起こらず、猫が妊娠することはない。

研究チームは2年間にわたって猫たちの糞尿(ふんにょう)のホルモンの値を週3回観察し、注入から2年以上経過しても問題のホルモンの値は高い状態が続いていることを確認した。この状態で実際に妊娠が予防できることを確認するため、研究チームはオス猫2匹を投入。その結果、遺伝子を注入しなかった3匹は全て妊娠したのに対し、注入したグループは6匹とも妊娠しなかった。

この結果は猫の避妊の新しい手段として期待できるが、獣医師で処方してもらうために必要な承認が得られるまでには何年もかかるだろうとスワンソン氏は予想。「これは製品化され、いずれ承認されて利用できるようになるだろう。だが1~2年では実現できない」と話している。

研究対象となった猫たちはシンシナティ周辺で里親を探す予定。新しい飼い主には年に1回、動物園に連れて来てもらい、ホルモン値の変化や何らかの副作用があるかどうかを観察する。

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