仏全土の暴動、企業の損害額既に1600億円超え

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暴動でガラスが損傷した仏北部ルーべーの劇場施設の前を通りかかる自治体職員/Denis Charlet/AFP/Getty Images

暴動でガラスが損傷した仏北部ルーべーの劇場施設の前を通りかかる自治体職員/Denis Charlet/AFP/Getty Images

パリ/ロンドン(CNN) フランス・パリ郊外で17歳の少年が警官に射殺された事件をきっかけに国内各地へ広がった暴動は、発生から約1週間が経過した現時点で既に10億ユーロ(約1600億円)を超える損害が出ている。仏経営者団体のフランス企業運動(MEDEF)が明らかにした。

MEDEFの広報担当者がCNNに述べたところによると、暴動により200店舗が略奪に遭い、銀行300店舗、小規模商店250カ所が破壊された。

暴動と化した抗議デモの参加者らは、フランス全土の各都市の路上へ数日にわたって繰り出し、社会の周縁に位置する共同体の扱いなどに対して怒りの声を上げた。警官による少年の射殺が人種に起因する措置だったのかどうかについても疑問が噴出している。

マクロン大統領は4日、暴力の「ピーク」は過ぎ去ったとの認識を示した。CNN提携局のBFMTVが伝えた。その上で、抗議デモが起きた241の自治体の首長に向け「全面的な支援」を約束したという。

政府は暴動で最も甚大な被害を受けた企業を対象に、社会保険負担や納税の延期または免除を行うことも検討している。BFMTVがルメール財務相の言葉を引用して報じた。保険金請求の期間は従来の5日から30日に延長される見通しだという。

ただ信用格付け機関のDBRSモーニングスターによれば、保険金として受け取れる金額は推定される被害総額の10億ユーロを大きく下回るとみられる。多くの企業にとって、損失の全額の補償は見込めないのが実情だ。

フランス企業は、今後一段の痛みが襲うのを覚悟している。同国は世界有数の人気を誇る旅行先だが、全土に広がる暴力と混乱を印象付けられた観光客が渡航を避ける判断を下すとみられるからだ。

MEDEFのジョフロワ・ルードベジュー会長は4日、仏メディアのインタビューに答え、今月初めの時点で外国人観光客によるパリへの旅行計画の20~25%がキャンセルになったと明らかにした。

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