スペイン4行、再編へ 欧州委が救済計画を承認

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ロンドン(CNNMoney)  欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は28日、経営難に陥ったスペインの4つの銀行を再編する計画を承認した。これにより、再建に向け370億ユーロの(約3兆9000億円)規模の公的資金が注入されることになった。

スペインの不動産バブル崩壊により大量の不良債権を抱えた4行は、経営破綻(はたん)を回避するため国有化されている。

4行のうちBFAバンキア、NCG銀行、カタルーニャ銀行の3行については、再建に向けた公的資金の注入が行われる。欧州委によれば、2017年までに3行はバランスシートの60%を圧縮することになる。残るバレンシア銀行は、別の銀行に売却されることになっている。

欧州委のアルムニア委員(競争政策担当)は「援助を受ける銀行が経営を続ける力を取り戻し、将来的には公的支援なしにやっていけるようにすることが目的だ。実体経済に資金供給できるような健全な金融セクターを取り戻すことが、スペイン経済の回復には欠かせない」と述べた。

4行は今後、不動産業界への貸付業務をやめ、個人や中小企業向けの小口業務に力を入れることになる。

またバンキアは向こう3年間で、全従業員の4分の1を超える6000人の人員整理を行うとともに1200支店を閉鎖するという。

スペインの金融機関を対象に今年春に行われたストレステスト(健全性審査)では、計590億ユーロの資本不足が明らかになっていた。スペインに対してはユーロ圏が1000億ユーロ規模の支援を行うことで合意しているが、欧州安定化メカニズム(ESM)では、資本注入を行う前に金融機関が再建計画を提出して承認を受けなければならない。

欧州委は来月にも、ストレステストに合格しなかった他のスペインの金融機関についても決定を下す見込みだ。

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