スペイン武装組織「バスク祖国と自由」が停戦宣言

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マドリード(CNN)  スペイン北部バスク地方の分離独立を掲げる武装組織「バスク祖国と自由(ETA)」が5日、停戦を宣言する声明を複数のメディアで発表した。

バスク地方紙ガラのウェブサイトに掲載された声明によると、ETAはスペイン政府に対し、「民主的プロセスを開始するのに必要最小限の民主的解決策」に同意するよう求めている。「武器を用いた攻撃的行動はとらない」としているものの、「防御的」行動の有無には言及していない。

同時に公開されたビデオでは、ETAメンバーとみられる3人が目だけを出した白い覆面を着けてテーブルの前に座り、カメラと向き合っている。中央の人物が、女性と思われる声でバスク語を話している。

スペイン内務省当局者らは声明を精査しているとしたうえで、高官らが公式コメントを出す予定はないと語った。首相官邸もCNNの取材に対し、コメントはないと述べた。

バスク地方の独立性に関しては、現在独自の警察機構や意思決定機関などが確立されているが、ETAは部分的自治だとしてこれを拒否、スペインからの完全独立を求めている。

ETAの武装闘争による死者はこれまでに800人以上に上る。ETAは過去にも停戦を発表しては破棄してきた。2006年には一方的に「恒久的停戦」を宣言したものの、数カ月後にマドリードの空港で爆弾テロを起こした。サパテロ政権は交渉を打ち切り、武装解除の時期や方法を明示した恒久的停戦以外は受け入れないとの立場を維持してきた。

スペイン当局は過去数カ月間にわたり、国内や隣接するフランス、ポルトガルでETAの取り締まりを実施。幹部を含む多数のメンバーを拘束し、爆弾の材料や武器を押収するなど、事実上攻撃が不可能な状態に追い込んでいた。バスクでは数週間前から、左派小党を中心に政府側との交渉を求める声が強まっていた。

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