トランプ氏の訴訟、本人によるソーシャルメディアでの情報共有に制限 判事が命令承認
(CNN) 米ニューヨークでのトランプ前大統領の刑事裁判を担当するフアン・マーチャン判事は8日、トランプ氏によるソーシャルメディア上での情報公開を制限する秘密保持命令を承認した。当該の裁判を巡る捜査で浮上した証拠に関連する情報が対象になる。
秘密保持命令はニューヨーク州マンハッタン地区検察局がこれに先駆けて提出したもので、トランプ氏が自身の弁護士らの入手した情報を共有する能力に規制をかける内容。規制の理由の一環として、同氏がソーシャルメディアで行った同検察のアルビン・ブラッグ検事や裁判の証人に関する複数の投稿を挙げた。
マンハッタン地区検察は、ビジネス記録の改竄(かいざん)に関する罪でトランプ氏を起訴している。改竄には2016年大統領選に関係した違法行為を隠蔽する意図があったとする。起訴はブラッグ判事が行った口止め料の支払いについての捜査に基づく。口止め料は当時トランプ氏と不倫関係にあったというポルノ女優に支払われたとされるが、トランプ氏はこの関係を否定している。
マーチャン判事が承認した秘密保持命令は、当該の裁判で出た証拠について、裁判所が事前に承認しない限りあらゆるソーシャルメディアプラットフォームでの投稿、共有を認めないとする内容。
判事の判断に先駆けて行われた先週の審理では、トランプ氏の弁護士らと地区検察局検事らが命令の詳細に関して議論した。これには裁判の証人の携帯電話から得た情報をどの程度トランプ氏が閲覧できるようにするのかといった規定が含まれる。証人には同氏の元弁護士のマイケル・コーエン氏のような人物がいる。
トランプ氏の弁護士らはかねて秘密保持命令への反対を表明。同氏の持つ表現の自由を侵害するものだと主張していた。同氏は24年の大統領選への出馬を表明している。
トランプ氏は先月、ビジネス記録改竄に関する重罪について無罪を主張した。マーチャン判事は24年の2月か3月に裁判を行いたいとしている。