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中国初の国産旅客機、「中国産」と言い切れない理由

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北京で歓迎を受けるC919=5月28日

北京で歓迎を受けるC919=5月28日

他の航空機メーカーも輸入製品に頼っているというのが中国政府の見解だ。

中国の国営英字紙チャイナ・デイリーは先月31日、ボーイングやエアバスも「世界各国のトップサイプライヤー」に依存しているという論説記事を掲載した。

ユソフ氏によると、ボーイングでは787ドリームライナーをはじめ、飛行機部品の約40~50%が外国製だ。エアバスも、マレーシアなど海外から部品を調達しているという。

「巨人」に挑む

中国は、現在航空市場を事実上独占しているエアバスやボーイングに対し、ゆくゆくはCOMACで対抗するという野望を明言してきた。

ユソフ氏によれば、その野望がすぐに実現する可能性は低そうだ。

ひとつに、COMACは航空各社に心変わりをさせるほど十分には同機を差別化できていない。同社の技術は「エアバスやボーイングの機体ですでに使われている」とユソフ氏は言う。

COMACの機体が欧米の航空規制で承認されるまでには何年もかかりそうだ。

だがいったん増産態勢に入れば、国内や発展途上国からの受注は増えるだろう。こうした国の航空会社は、現在市場を独占する2社の機体にはとても手が出ない。インドネシアの地域航空会社トランスヌサは昨年、海外の航空会社では初めてCOMACの機体を発注した。

「商用機市場で欧米以外の国が別の選択肢を提供してくれることは、大いに賞賛に値する」とユソフ氏は言う。

だがユソフ氏は、中国が機体の価格を大幅に下げたとしても、顧客の心をつかむには時間を要するだろうと続けた。

「各国の航空会社を説得して購入させるのは簡単ではないだろう。機体を気に入ろうが気に入るまいが、(新参者には)つねに偏見がつきものだからだ」(ユソフ氏)

この記事はCNNのミシェル・トー記者の分析記事です。

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