脳に埋め込んだチップに不具合 マスク氏の新興企業ニューラリンク
ニューヨーク(CNN) 米起業家イーロン・マスク氏の新興企業ニューラリンクは、被検者の脳にチップを埋め込む初の臨床試験に関連して、1月に埋め込んだチップに不具合が生じたことを明らかにした。
同社のブログによると、チップに付いた多数の接続スレッド(糸)が、被験者のノーランド・アーボー氏の脳から外れ、埋め込み装置のデータ転送速度や効果に影響が出た。スレッドが外れた経緯など詳細は明らかにしていない。ただ、埋め込み装置の感度を高めて性能を向上させることができたとしている。
アーボー氏は2016年のダイビング事故で四肢がまひした患者で、今年1月に臨床試験の一環として脳にチップを埋め込む手術を受けた。
今回の臨床試験の目的は、埋め込み装置と手術ロボットの安全性を検証し、装置の機能をテストすることにあった。
チップは脳の動く意思をつかさどる部分に埋め込まれ、脳の信号を記録してアプリに送信。思考だけでコンピューターのカーソルやキーボードを操作できるようにすることを目指している。
マスク氏は、アーボー氏がチップの埋め込み手術から約1カ月で、脳でコンピューターのマウスを操作できるようになったと伝えていた。
米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、ニューラリンクの臨床試験は米食品医薬品局(FDA)の承認を受けており、今回の問題についてもFDAに報告しているという。