ロンドン西部で野生のビーバー「復活」、約400年ぶり

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スコットランドから来たビーバーの家族が、ロンドン西部イーリングの湿地帯に放された/James Stacey/CNN

スコットランドから来たビーバーの家族が、ロンドン西部イーリングの湿地帯に放された/James Stacey/CNN

ロンドン(CNN) 英ロンドンのカーン市長はこのほど、同市西部のイーリング地区に広がる湿地帯にスコットランドから来た野生のビーバー一家の5匹が放たれたと発表した。

ロンドンでのビーバー復活は約400年で初めてと強調した。「新居」に移ってきたのはヨーロッパビーバーの夫婦2匹と子どもの3匹。今回の放流計画の実施組織は、ビーバーの存在は洪水が起きるリスクを減らすなどと期待した。

カーン市長も放流に立ち会い、「ビーバーは自然のダムを築く動物であり、より広い生態系の助けになる」などと主張した。今回の事業にはロンドンの生態系の回復を図る基金から約4万ポンドを拠出した。

事業に加わっている野生動物保護団体の幹部は、ビーバー5匹の新たなすみかは洪水発生の危険性が高い都市区域に近いとも指摘。この危険性は気候変動の到来で増しているとしながらも、ビーバーは複数のダムをつくり、巨大な吸い取り装置があるような湿地帯を創出してくれるだろうと予想した。

英国では肉や毛皮の需要で野生のビーバーは400年前余に絶滅したとされる。ただ、近年になりイングランド南西部デボンで生息の復活が試みられ、22年には正式な保護対象となった。

同年3月にはロンドン北部のインフィールド地区で複数のビーバーが放たれ、数百年間で初めてという赤ちゃんの誕生も確認されていた。

5匹が引っ越したイーリング地区の湿地帯は1カ月間、一般開放が禁止される。新たな生活環境への順応を配慮した措置だが、年末までには訪問客を受け入れる予定となっている。

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