ノーベル経済学賞、米大学の3氏に 国の貧富と制度をめぐる研究
ロンドン(CNN) スウェーデン王立科学アカデミーは14日、今年のノーベル経済学賞を、ある国が豊かになる一方、別の国が貧しいままである理由について、制度の性質がどのように説明するかという研究を行った米大学の3氏に贈ると発表した。
経済学賞を贈られたのは、米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)のダロン・アセモグル教授と同大のサイモン・ジョンソン教授、シカゴ大学のジェイムズ・ロビンソン教授の3氏。賞金の1100万スウェーデンクローナ(約1億5800万円)は3氏で分け合う。
スウェーデン王立科学アカデミーは、3氏が、法の支配が弱く、国民を搾取するような制度が存在する社会が、成長やより良い変化を生み出さない理由を説明したとたたえた。
欧州の国々が世界の大部分を植民地化したとき、現地の社会制度が変化した。先住民を搾取することを目的とする植民地も多かったが、一方で包括的な政治や経済の基礎が築かれた植民地もあったという。
今回受賞した3氏は、植民地化の際に導入された社会制度が、各国の繁栄の違いを説明する要因の一つであることを示した。
法の支配と財産権を擁護する「包括的な制度」を発展させた国は時間の経過とともに繁栄する一方、支配層のために、より広範な国民から資源を「搾取」する「抽出的な制度」を発展させた国は持続的に低い経済成長を経験してきたという。