元米国防長官、「大規模戦争に入りつつあるのは明らか」 中東情勢巡り
(CNN) パネッタ元米国防長官は23日、CNNの番組で、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとイスラエルの衝突が拡大する現状に触れ、「大規模戦争に足を踏み入れつつあるのは明らかだ」との認識を示した。
イスラエルが23日に実施したレバノンへの空爆では、450人以上が死亡、約1600人が負傷した。2006年に起きたヒズボラとイスラエルの衝突以降、最大の犠牲者を出した1日となった。ただ双方とも、現在の衝突激化を戦争とは呼んでいない。
国防長官や中央情報局(CIA)長官を歴任したパネッタ氏はCNNに対し、状況は「一線を越えた」と説明。「大規模戦争に足を踏み入れつつあるのは明らかだ。当事者が何らかの解決策について合意するのは一段と難しくなる」との認識を示した。
パネッタ氏はまた、今週ニューヨークの国連総会に集結する世界の指導者は「イスラエルとヒズボラの間で戦争が起きており、より広範な戦争に発展しつつあることについて多くの議論を交わすだろう」との見通しを示した。
そのうえで、米国は「中東で全面戦争」が起きてはならないと明確に表明する必要があると言い添えた。
パネッタ氏は「もちろん、イスラエルと我が国の絆があるので、米国は今後も引き続き物資を供与する。だが同時に、中東で全面戦争が起きてはならないと明確にすることも重要だ。今回は時と場所が悪く、率直に言って誰もが代償を払うことになる。将来という点で壊滅的なことになるだろう」としている。