女性町長が殺害される、初の女性大統領当選の数時間後 メキシコ
(CNN) メキシコ西部ミチョアカン州の町コティハで3日、女性町長が射殺される事件があった。メキシコではこの数時間前、候補者への襲撃が相次いだ選挙で初の女性大統領が選出されていた。
州検察の声明によると、コティハのヨランダ・サンチェス・フィゲロア町長はボディーガードを伴ってジムから帰宅途中、白いバンに乗った複数の人物に撃たれた。
声明では、フィゲロア氏もボディーガードも病院で死亡したと説明。捜査に着手したことも明らかにした。
フェゲロア氏の死亡が確認される数時間前、クラウディア・シェインバウム前メキシコ市長が選挙で地滑り的な勝利を収め、女性初のメキシコ大統領に選ばれていた。家父長的な文化や女性であることを理由にした殺人の横行で知られるメキシコでは快挙だった。
大統領選では政治家に対する暴力がまん延し、メキシコ史上で最も凄惨(せいさん)な選挙になった。投票に影響を与える目的で、候補者など数十人が犯罪組織によって殺害された。
シェインバウム氏は10月1日から大統領の任期を開始する。退任する現職のロペスオブラドール大統領はシェインバウム氏の長年の盟友。その社会福祉政策は多くのメキシコ人を貧困から救い、両氏の所属する左派政党「国家再生運動」(モレナ)を世論調査で躍進させた。
ただ、シェインバウム氏はギャング主導の暴力や未解決の失踪事件がはびこる状況を引き継ぐ。国内の治安や国境安全の強化が急務となる。