軍が麻薬組織メンバーを「処刑」か、大統領が捜査を表明 メキシコ

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メキシコのロペスオブラドール大統領/Henry Romero/Reuters

メキシコのロペスオブラドール大統領/Henry Romero/Reuters

(CNN) メキシコ軍の兵士が数人の男性を車から引きずり出して殴る蹴るの暴行を加え、銃撃する場面を映したと思われる映像が現地メディアに出回った。大統領は「処刑」と形容し、捜査を行っていることを明らかにした。

ロペスオブラドール大統領は7日の記者会見で、「明らかに処刑があった。これは容認できない。我々は前政権とは違う。不正や行き過ぎ、人権侵害があれば、責任者を罰しなければならない」と述べ、捜査を開始したことを明らかにした。

大統領はさらに、「隠蔽(いんぺい)はない。我々は人権侵害を容認しない」と強調している。

CNNEは問題の動画から32分間の映像を入手した。うち20分は未編集だった。CNNは動画の出所について独立した立場から検証することはできていない。

問題の映像には、黒い車が道路を外れて未舗装地にはみ出し、フェンスに衝突する様子が映っている。1分もたたないうちにメキシコ軍の車両が止まり、軍の制服姿の男性たちがフェンスに衝突した車のドアを開けて中にいた人たちを引きずり出し、地面に押し倒して殴ったり蹴ったりしていた。車の中からは銃と思われるものを取り出していた。

5分ほどたったところで、制服姿の男性たちが相手をフェンスの前に並ばせて、軍の車両は退いた。数分後、制服姿の男性たちは黒い車の横で、遠くの茂みに向かって銃撃を始めた。何を銃撃しているのかは分からない。

銃撃が始まる前、その方向から粉塵(ふんじん)が巻き起こるのが見えており、遠方から現場に向かって何者かが銃撃した可能性があることを示唆している。

さらに映像が進むと、制服姿の男性2人が、車から引きずり出した男性のうち1人に銃を突きつけた。その男性ははって逃げようとしていた。続いて男性が倒れる姿が見え、その後、動く様子はなかった。

CNNにリークされた報告書の中でメキシコ軍は、衝突したトラックに乗っていた相手は警察から逃げようとしていたと報告。麻薬組織カルテル・デル・ノレステの刻印がある「軍事」装備を運ぶ相手を兵士が目撃したとしていた。

報告書によれば、軍は「トラックの中の人物を助けようとした相手」によって攻撃を受け、車両の中にいた数人のうち1人が負傷して手当てを受けた。

銃声は全方向から聞こえたとされ、兵士はトラックの中の相手に身を隠すよう伝えたが、相手は武器を取り戻そうとしたとされる。

銃撃後、4人は生命反応がなく、1人が重体となっていることを兵士たちが確認したと報告書は述べている。CNNはこの報告書の内容について、独立した立場から検証することはできていない。

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