子どもや女性が死亡、160人が飢えの瀬戸際に 船で漂流のロヒンギャ

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バングラデシュのロヒンギャ難民キャンプ=8月24日/Mohammad Shajahan/Anadolu Agency/Getty Images

バングラデシュのロヒンギャ難民キャンプ=8月24日/Mohammad Shajahan/Anadolu Agency/Getty Images

(CNN) ミャンマーの少数派イスラム教徒ロヒンギャの難民を乗せたボートが、3週間以上もインド沖の海上を漂流している。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)などによると、乗船者多数が死亡している可能性があり、少なくとも160人が飢えの瀬戸際にある。

5歳の娘を連れた親族がこのボートに乗っているというモハメド・レズワン・カーンさんは21日、同船でこれまでに子ども2人と女性1人が死亡したとCNNに語り、まだ生きている人たちは「水も食料も医薬品もない」状態にあると訴えた。

「ものすごく心配だ。彼らを助けてほしい。彼らが生き延びるのはどんどん難しくなっている」とカーンさんは話し、船長と最後に話をしたのは18日だったと言い添えた。

ボートは11月下旬にエンジンが故障し、現在はベンガル湾のインド領アンダマン・ニコバル諸島付近を漂流している。

同船は約100万人のロヒンギャが暮らすバングラデシュからマレーシアへ向かう途中だったと思われる。ロヒンギャは、故国ミャンマーでの暴力を逃れて難民キャンプで生活するようになった。

乗船者の死亡についてCNNでは確認できていない。国連広報によれば、少なくとも20人が死亡したという未確認情報があるという。

UNHCRはインドとスリランカの両国に対して乗船者の救助を促し、「命を救い、これ以上の死を防ぐために迅速な行動が必要だ」「国家が人命を救うための行動を起こさないことで、結果として日を追うごとに窮状や悲劇が増している」と訴えた。

東南アジア諸国連合(ASEAN)人権議員連盟も、近隣国に対して緊急救助を求める声明を発表した。

この数日前、スリランカ海軍は、ロヒンギャ難民104人の乗ったボートを救助していた。

UNHCR広報によれば、ロヒンギャ難民は今年だけでも約2000人が危険な航海に乗り出している。

その多くは、過密状態にあるバングラデシュのコックスバザール難民キャンプからの脱出者だった。同キャンプは悲惨な状況にあり、女性は性的虐待や暴行の危険にさらされている。

ミャンマー西部ラカイン州で暮らしていたロヒンギャは、ミャンマー軍による殺人や放火などの残虐行為を逃れて数十万人が出国。コックスバザール難民キャンプは過去5年の間に膨れ上がった。

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