辞任前にウクライナ協議目指すも失敗、権力失墜で 前独首相

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ドイツのメルケル前首相/Thomas Trutschel/Photothek/Getty Images

ドイツのメルケル前首相/Thomas Trutschel/Photothek/Getty Images

(CNN) ドイツのメルケル前首相は27日までに、ウクライナ情勢に関連し昨年の退任前に緊張緩和を図るためマクロン仏大統領やロシアのプーチン大統領を取り込んだ欧州主導の協議方式を狙ったが、辞任間近の時期に陥った権力失墜により失敗したことを認めた。

ドイツ週刊誌「シュピーゲル」との会見で明らかにした。「私にはこの方式を推し進める権限はもはやなかった」と吐露。「全ての関係者は私が秋にいなくなるだろうことを知っていたからだ」と述べた。

メルケル氏は昨年9月の総選挙が終われば首相職から退くことを長い間示唆。正式には同年12月に辞任していた。同年8月には最後の公式の外国訪問としてロシアへ赴き、プーチン大統領と会談していた。

シュピーゲルによると前首相はこの会談の雰囲気について「全く明らかだった。権力政治(に基づくやりとり)に関しては終わっていた」とし、「プーチン(氏)にとって権力だけが意味をなす」と述べた。

メルケル前首相はロシアによるウクライナ南部クリミア半島の一方的な併合やウクライナ東部への侵攻が起きた2014年に独仏、ロシアやウクライナを巻き込み、紛争終結を狙う「ノルマンディー方式」の協議を主導。

前首相は同方式について、クリミア半島の併合後、「我々はロシアによるさらなる侵攻を阻止し、打ち出すべき制裁策を詳細にわたって調整するための全ての努力を注いだ」と振り返った。

ウクライナ問題に深く関与したことを踏まえ、自らの退任後に「より平和的な情勢が続いて欲しかった」との思いも打ち明けた。

メルケル氏は辞任後、自身や率いた政権がロシア産の石油や天然ガスの輸入への過度の依存を許したとして非難を浴びてもいた。

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