タリバンのイスラム法解釈徹底を命令、公開処刑など復活の懸念 アフガン

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カブール市内の環状交差路近くを車両で移動するタリバンの戦闘員/Jim Huylebroek/The New York Times/Redux

カブール市内の環状交差路近くを車両で移動するタリバンの戦闘員/Jim Huylebroek/The New York Times/Redux

(CNN) アフガニスタンで実権を握るイスラム主義勢力タリバンが、イスラム法(シャリア)に関する自分たちの解釈を徹底させるよう、裁判官に指示した。公開処刑や手足の切断、むち打ちなどが含まれる可能性もあり、人権状況のさらなる悪化を招きかねないと専門家が危惧している。

タリバン報道官によると、アフガニスタンの最高指導者が裁判官と会談し、守るべき義務として窃盗、誘拐、扇動などの事件に関する捜査を指示した。

報道官は13日、「シャリアの制限と報復の条件を全て満たした事件については、その制限と報復を言い渡す義務がある。なぜならこれはシャリアの命令だからだ」とツイートした。

アフガニスタンではかつてタリバンが実権を握っていた1996年~2001年にかけ、シャリアの強硬な解釈に基づき公開処刑や石打ち、むち打ち、手足の切断などの刑が執行されていた。

シャリアに詳しい米カリフォルニア大学ロサンゼルス校の専門家によると、1400年の伝統をもつシャリアにはさまざまな解釈が存在する。しかしイスラム法学者の大多数は歴史を通じてタリバンのように強硬な解釈はしておらず、そうした刑が執行されるのは極めてまれだった。

タリバンは昨年8月に実権を握って以来、権利や自由を弾圧する姿勢を強めている。女性はほとんどの職種で働くことができなくなり、長距離の移動には男性の付き添いが義務付けられ、女子生徒の進学も阻まれている。先週は、首都カブールで女性が遊園地への入場を阻止された。

アフガニスタンは治安も悪化し、世界の中で孤立を深め、貧困化が進む。

国連によると、国民のほぼ半数が深刻な飢えに直面している。国際救済委員会(IRC)の5月の報告によれば、推定43%は1日1食に満たない暮らしを強いられ、90%は食料を最も必要としていると回答した。

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