戦後のロシアには体制変化必要とナバリヌイ氏 収監中の反政権派指導者

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収監中のロシア反政権派指導者、アレクセイ・ナバリヌイ氏が米紙に寄稿した/Andrey Rudakov/Bloomberg/Getty Images

収監中のロシア反政権派指導者、アレクセイ・ナバリヌイ氏が米紙に寄稿した/Andrey Rudakov/Bloomberg/Getty Images

(CNN) 収監中のロシア反政権派指導者、アレクセイ・ナバリヌイ氏は、自国が「帝国主義的な独裁体制の堂々巡り」を回避する唯一の方法として議会制民主主義の採用を挙げた。

米紙ワシントン・ポストへの寄稿で述べた。その中でナバリヌイ氏は、西側諸国がウクライナの独立の重要性を主張するのは当然であり、ロシアを阻止してウクライナでの戦争に勝たせまいとしているのも正当な行動だとした。

一方で西側は、戦闘が停止した際のロシアの姿についても考え始めなくてはならないと指摘。「ロシアとその政府が自然と、強制されなくても戦争を始めたがらないような戦略をとるべきだ。彼らが戦争に引き付けられることがあってはならない」と述べた。

その上で、戦後ロシアの問題こそが平和を追求する人々にとっての中心的な問題になるべきだと主張。問題の根源を解決する計画なしに、長期的な目標は達成できないとした。

「ロシアは侵略と不安定化の扇動者になるのをやめなくてはならない」(ナバリヌイ氏)

ナバリヌイ氏は、ロシアのプーチン大統領に批判の声を上げる国内最大の実力者とされる。2020年には神経剤の「ノビチョク」を盛られるなど、命を落としかける目にも遭ってきた。西側の複数の当局者やナバリヌイ氏自身はこの攻撃をロシア政府によるものと公言しているが、ロシア側は一切の関与を否定している。

同氏は詐欺罪などで禁錮9年の判決を受け、現在囚人の流刑地で服役中。

寄稿の中でナバリヌイ氏は「ロシアのエリートは過去23年の間に、絶対敗れることのない法則を学んだ。戦争はそこまで高くつくものではなく、国内のあらゆる政治問題を解決してくれる。支持率は際限なく上がるし、取り立てて経済も痛まない。そして最も重要なことに、勝ちさえすれば一切の説明責任を負わずに済む」と説いた。

問題を解決する方法としてナバリヌイ氏は、民主政治の形態の採用に言及。バルト諸国のように権力分散を実施することを挙げた。

また「欧州における平和と安定を脅かすのは、攻撃性の強い帝国主義的な独裁体制だ。延々と続くその体制を、ロシアは自らに押し付けている」「戦後のロシアも、プーチン後のロシアと同様、好戦的でプーチン的な国に再びなることを運命づけられている。現状の国の発展形態が維持される限り、これは避けられない。議会制の共和国だけがこの流れを阻止できる」と訴えた。

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