英保守党のトラス新党首、きょう首相就任 危機の中の船出

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保守党党首選、リズ・トラス氏が勝利

ロンドン(CNN) スキャンダルに見舞われたジョンソン英首相の辞任に伴う与党・保守党党首選挙の決選投票は5日、リズ・トラス外相(47)が勝利した。英国の経済や社会が危機を迎える中、6日に新首相に就任する。

トラス氏は党員投票で対立候補のリシ・スナク前財務相に8万1326票対6万399票で勝利した。

トラス氏は5日、ロンドンのカンファレンスセンターで行った短い勝利演説の中で、危機に取り組むと誓った。同氏は減税と経済成長を実現する「大胆な計画」を約束しているが、詳細を明らかにしていない。国民が負担するエネルギー料金の高騰に対処するとともに、長期的なエネルギー供給問題にも対応するとしている。

スナク氏は選挙戦で、トラス氏が公約する減税を実施すればリセッション(景気後退)が長引く恐れがあると批判した。

トラス氏はジョンソン氏が6日に正式にエリザベス女王に辞任を申し出た後、議会与党の党首として女王のもとを訪れ、組閣の要請を受ける。

トラス氏はサッチャー氏、メイ氏に続く3人目の女性の英首相となる。2016年の欧州連合(EU)離脱の是非を問う投票では残留票を投じたが、党内では離脱賛成派の圧倒的多数が支持する候補となった。

ただ、両候補を支援した保守党員によると、決選投票の票差は予想より少なかった。両者の差は18ポイントだったが、それより差が広がるとの予想が大勢だった。

こうした状況から、トラス氏が議員の意向を無視した政権運営を進めるのは難しくなる可能性がある。所属議員による投票ではスナク氏の方が多くの票を集めていた。

党首就任後は党内のさまざまな見解を調整していく必要がある。スナク氏の訴える生活費危機の対策や、法人税などでのより穏当な減税の実施などを迫られる可能性がある。

保守党内には、現代版サッチャリズムの実行が次の選挙の敗北を招くのではないかとの懸念がある。決選投票の票差が想定外に少なかった結果を、経済対策での柔軟な対応を迫る材料として使う動きが出てくる可能性もある。

野党・労働党はトラス氏の政策主張を認めず、「保守党の閣僚として数年間務め、この混乱へと我々を陥れた決定に賛同してきたトラス氏は、この危機に対する解を持っていない」との声明を出した。

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