マリウポリで予定される戦争捕虜の裁判、懸念高まる 米ロが応酬

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マリウポリのコンサートホールに囚人の檻できる、新たな画像浮上

(CNN) ロシア占領下のウクライナ南東部マリウポリで予定される戦争捕虜の裁判に懸念が高まっている。米国とロシアは24~25日、裁判の計画をめぐり応酬を繰り広げた。

米国務省は24日、ロシア政府は「プーチン大統領の侵略戦争に関する責任をかわし、ロシア政府がウクライナで残虐行為に及んだという明白な証拠から注意をそらすため」に裁判を利用していると指摘した。

また「予定されている見せしめ裁判」を強く非難すると表明。この裁判は「違法であり、司法を愚弄(ぐろう)するものだ」と述べた。

さらに、ジュネーブ条約を引き合いに「ウクライナ軍の要員は国内の志願兵や外国人義勇兵を含め全員、拘束された場合に戦争捕虜の地位を与えられる権利があり、その地位に応じた待遇や保護を受ける必要がある」と訴えた。

マリウポリのコンサートホールに設置された囚人の檻(おり)。ソーシャルメディアに今月6日に公開された/Mariupol City Council/Reuters
マリウポリのコンサートホールに設置された囚人の檻(おり)。ソーシャルメディアに今月6日に公開された/Mariupol City Council/Reuters

一方、在米ロシア大使館は25日、米国の「根拠のない批判」を非難。「近く予定される裁判の目的は戦争犯罪人を裁くことにある。対象者にはアゾフ連隊のナチスも含まれる」と述べた。

自称「ドネツク人民共和国(DPR)」の指導者デニス・プシリン氏は25日、ロシアテレビに対し、アゾフ連隊の隊員だけでなくウクライナの「正規軍」も裁判にかけられると説明。「戦争犯罪人は全員、軍法会議にかけられるだろう」とした。

ただ、マリウポリ市長の顧問を務めるペトロ・アンドリュシチェンコ氏によると、DPRはまだ裁判の開始日を発表していない。この理由について、アンドリュシチェンコ氏は通信アプリ「テレグラム」で「最も可能性が高いのは、我が国の英雄の『自白』が得られていないためだろう」と指摘している。

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