シンガポール、同性愛行為が合法に 首相が表明

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シンガポールで、英国の植民地だった時代に男性同士の同性愛行為を犯罪とした刑法の条項が廃止される/Roslan Rahman/AFP via Getty Images

シンガポールで、英国の植民地だった時代に男性同士の同性愛行為を犯罪とした刑法の条項が廃止される/Roslan Rahman/AFP via Getty Images

(CNN) シンガポールのリー・シェンロン首相は21日、英国の植民地だった時代に男性同士の同性愛行為を犯罪とした刑法の条項を廃止すると表明した。ただし、同性同士の結婚は今後も認めない立場を示した。

リー氏はテレビ中継された今年の施政演説で、男性同士の同意に基づく性行為を犯罪として扱うべきではないと言明。条項の廃止によって、法律を現代社会の道徳観に合わせることができると述べた。

どの社会にも同性愛者の人々は存在するとしたうえで、「かれらは私たちの同僚であり、友人、家族だ。本人たちも自分の人生を生き、地域社会に参加し、シンガポールに存分に貢献することを望んでいる」と説明した。

同氏は一方で、結婚の定義を男女間に限定した法律は存続させ、修正から「守る」と述べて、むしろ強化する意向を示した。

国内の性的少数者の団体20組あまりが共同で出した声明は、同性愛行為の合法化を「長年の懸案」であり、国家公認の差別は受け入れられないことを力強く表明する大きな節目だと歓迎した。

一方で結婚の定義をめぐっては「失望」感を示し、政府は宗教保守派の要求に応じるべきではないと主張した。

男性同士の性行為を禁止する条項は植民地時代の1938年に導入され、違反者には最大で禁錮2年を科す内容だった。

同様の法律は英植民地支配下のインドなど他国でも制定されたが、これまでに一部の国では廃止されている。

同性同士の結婚は、2019年にアジアで初めて台湾が合法化。今年6月にはタイで、同性カップルに異性同士の結婚と同等の権利を与える法案が可決された。

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