辞任表明の英首相、後継決まるまで職務続行に意欲 ラーブ氏を暫定首相に推す声も

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ジョンソン英首相は後継党首を選ぶまで職務を継続する意欲を示している/Leon Neal/Getty Images

ジョンソン英首相は後継党首を選ぶまで職務を継続する意欲を示している/Leon Neal/Getty Images

ロンドン(CNN) 一連のスキャンダルで自党保守党党員の離反を招き、7日に辞任を表明したジョンソン英首相だが、党が後継党首を選ぶまでは暫定首相として職務を継続する意欲を示している。一方、保守党幹部の間では、ジョンソン氏の下で働く意欲のある人物が減っていることから、職務継続は不可能だとの見方も出ている。

党首選のスケジュールは11日までに発表される。

ジョンソン氏は7日、多くの歴代首相と同様に首相官邸前で辞意を表明した。辞任演説の中で、新党首が決まるまで職務を行う新閣僚を任命したと述べ、可能な限り長く現職にとどまる意向を示した。

ジョンソン氏は首相を続ける努力をしたものの、辞任の結果となり「痛みを感じる」と語った。一方で、失墜の原因となったスキャンダルには一切言及がなかった。

ジョンソン氏は新型コロナウイルス流行でのロックダウン(都市封鎖)中のパーティーに参加し罰金を受けるなど、数々のスキャンダルに直面してきた。先週には保守党のピンチャー副幹事長が夕食会で男性2人に対して痴漢行為をした疑惑で役職を辞任。この件への対応の失敗が党員の離反を招く最後の一手となった。

トラス外相はジョンソン氏の辞任は「正しい判断」で、新リーダーが決まるまで政府が機能する必要があると述べた。

クラーク住宅・地域社会・自治相も、機能する政府を確保する責務があると発言した。

野党・労働党のスターマー党首は辞任は「国にとって吉報」としつつ「もっと前にあるべきだった」と語った。また、12年に及ぶ保守党政権が経済停滞や公共サービス後退をもたらしたとして、保守党トップの交代ではなく新たな政権交代が必要だと主張した。

保守党党首が辞任する場合、議員や全国の党員が投票する党首選実施のために、党首は党に時間的猶予を与えるのが慣例だ。だが今回は、ジョンソン氏が一刻も早く職を去るべきだとの声が出ている。

クワーテング民間企業・エネルギー・産業戦略相は「我々は可能な限り早く新たな党首を必要としている」「信頼を取り戻し、国を癒やし、賢明で一貫性のある新たな経済施策を打ち出せる人物だ」と述べた。

スコットランド自治政府のスタージョン首相は「ジョンソン氏が秋まで首相にとどまるという考えは理想から程遠いように見え、恐らく維持できないのではないか」とツイートした。

保守党のスティーブ・ベイカー議員はCNNに対し、党が迅速に党首選を行う必要があると述べ、ラーブ副首相が暫定首相を担うべきだとの考えを示した。ただ、ジョンソン氏が継続することも可能だとも述べた。

ラーブ氏は過去にジョンソン氏の首相を代行したことが2度ある。2020年4月にジョンソン氏が新型コロナ感染で集中治療室に入ったときと、先月手術で全身麻酔を受けたときだ。

英PA通信によると、ラーブ氏は次の党首選には出ないと発言しており、ジョンソン氏が早期に首相を退任した場合の暫定首相を担う候補者となりうる。

メージャー元英首相もジョンソン氏が新党首選出まで首相職にとどまるのは「賢明でも維持可能でもない」と発言。ラーブ氏が首相代行を務めうると示唆した。

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