コロナ感染の主因は韓国発の風船との接触を示唆、北朝鮮

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平壌の国際空港で消毒作業を行う北朝鮮の防疫当局者ら/KCNA/Pool/Latin America News/Reuters

平壌の国際空港で消毒作業を行う北朝鮮の防疫当局者ら/KCNA/Pool/Latin America News/Reuters

ソウル(CNN) 北朝鮮の朝鮮中央通信は7日までに、域内での新型コロナウイルスの感染拡大について韓国との軍事境界線近くで住民2人が「見慣れない物体」に接触したのが発端になったとの調査報告書を伝えた。

北朝鮮の緊急防疫当局は感染拡散の原因を探るため、軍事境界線の北部に位置する金剛郡で作業を開始したと主張。この結果、18歳の兵士と5歳児が4月初旬、境界線近くの丘陵で「見慣れない物体」に触れて発症したのが最初の陽性反応の2例と結論づけた。

調査報告書は、「見慣れない物体」は特定しなかったが、「風やほかの気候現象の発生、風船」などに絡んで漂着する物体への監視の必要性を主張。韓国を拠点にする脱北者団体は今年4月下旬、北朝鮮体制を批判するビラなどを積んだ大型の風船を北朝鮮内へ向けて飛ばしたこともあった。

この団体はまた、北朝鮮が新型コロナの感染拡大に襲われた6月にビタミンCなどを含んだ栄養剤を風船に装着させていたとも主張していた。

これらの風船飛行は韓国政府の必要な許可なしに実施されていた。同国政府は感染拡大が韓国から飛来した「見慣れない物体」に起因するとの北朝鮮の主張を否定。国際的な医療専門家らがそのリスクは低いとの判断にも言及した。

北朝鮮は今年5月以前には域内での感染発生を一切否定。ただ、約2500万人の人口を抱える中で、2年以上にわたって感染が発生していないとの主張を疑問視する見方が国際社会には強かった。

北朝鮮は5月に感染が広がっていることを初めて公表。これ以降、470万人以上が「発熱症状」を訴え、大半は完全に回復したなどと喧伝(けんでん)していた。報道の自由が封殺されている政治環境の中で感染者や回復者の総数を中立的な立場で見極める手段はない状況ともなっている。

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