ウクライナ防衛に参じた外国人は2万人以上、様々な動機

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ウクライナ防衛に参じた外国人、CNNの取材に思い語る

(CNN) ロシアによるウクライナ侵攻に義憤を覚え、多くの外国人ボランティアや退役軍人らが同国に駆けつけ、戦場あるいはそのほかの場所でウクライナ防衛に一役買っている。

ウクライナ国防省は最近、その人数は2万人以上で52カ国の出身者と報告した。戦闘経験のある者や軍事訓練を一切受けたことがない外国人らが含まれる。CNNの取材でウクライナに入った動機も様々なことが浮き彫りになった。

25歳のブライアンさんは米ミネソタ州の住人で、米海兵隊兵士として日本の沖縄に2年間駐屯した経験を持つ。ウクライナに来たのは同国人と共に一緒に戦うのが目的とした。「私は海兵隊隊員。ウクライナ人を助けるために死が必要ならばそうする」との覚悟を示した。

スウェーデン人のオスカーさんに正式な軍事訓練に参加した経験はない。「人々を救うためここにいる。願わくば、戦線に行き、銃を撃ち、治療を施して誰かを救出する前に戦いが終わって欲しい。それが全員にとって最良の結果だ」との思いを語った。

33歳のカナダ人であるデービッドさんは、ウクライナ軍の軍用車両を動かすためタイヤを修理出来ると説明。丸くてゴム製などのタイヤなら直せるとし、戦争で最も必要な装備品の一つを動かし続けられると誇った。

ウクライナに来た全ての外国人ボランティアは一定の訓練を受ける。多くは戦場に出るが、戦闘に一度も遭遇しない役割もある。

ただ、ボランティアの数千人の武装化にリスクがないわけではない。全ての外国人ボランティアの個人的な背景を審査しているというロマンさんは、危険人物となる可能性も認めた。「彼らの経歴を調べ、出来る限り過去の行動などの把握に努めている」とした。

ウクライナが必要としているのは戦場に出向く戦闘員だけではない。緊急に求められているのは戦場での治療経験があるボランティアだ。

スカイ・バークレーさんは、米海兵隊で軍務を経験し、ウクライナで宣教師の活動も行ったことがある。ほかの米国人6人と共にボランティアとして参じた。今回の戦争は、反乱に伴う騒乱や過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」との掃討戦に例えられないと説明。

「ウクライナ全土に多数のミサイルが飛来し、ロシアは何百キロも離れたところから標的を狙い、殺害する能力がある」と続けた。

バークレーさんのチームの一員である米ミズーリ州出身のマディ・ヘイズさんは米国のイラク軍事作戦に看護師として従軍した。「ウクライナ国民への思いがある。彼らを本当に助けたいだけだ。自分の人生が彼らのものより価値があるとは考えていない」との決意を述べた。

これらボランティアを取材したCNN記者によると、ウクライナ軍が彼らに提供する訓練には限界があり、基本的な事柄の習得では3~14日間程度となっている。半面、ウクライナ防衛への寄与が求められる期間は短くない。志願兵の場合は1年間で、署名による確約も要求されるという。

ウクライナ政府当局者は、冒険家や週末に限っての戦士を募っているわけではないと主張。「慈悲の心もない大規模な侵略軍に対抗する務めなのだ」と強調した。

米国務省は最近、ウクライナへ赴き同国軍と共に戦う行為は、ロシア側が既に表明したように、傭兵(ようへい)や外国人戦闘員と見なされるだろうと米国人に警告した。同省のプライス報道官は、ウクライナ側に立って戦ったことでロシアによる刑事訴追や拘束に直面する可能性に加え、死亡する場合もあり得ると指摘。米政府はいかなる時点でも、米国人をウクライナから避難させることは出来ないとも釘を刺した。

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