中国、核搭載可能な「極超音速ミサイル」の実験否定 「宇宙船」と説明

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中国が核搭載可能な極超音速ミサイルの実験を否定した/Artur Widak/NurPhoto via Getty Images

中国が核搭載可能な極超音速ミサイルの実験を否定した/Artur Widak/NurPhoto via Getty Images

(CNN) 中国外務省は18日、中国が8月に核弾頭を搭載可能な極超音速ミサイルの実験を実施したとの報道を否定し、「通常の宇宙船の実験」だったと述べた。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は17日、「中国は8月、地球を周回した後に高速で目標に向かう核弾頭を搭載可能な極超音速ミサイルの実験を行い、高度な宇宙能力を示して米情報機関を驚かせた」と報道。記事の情報源として、「諜報(ちょうほう)に関する報告を受けた」匿名の情報筋を挙げていた。

中国外務省の趙立堅報道官は18日の定例会見でこの報道について聞かれ、8月の実験は「ミサイルではなく宇宙船」の実験だったと述べた。

趙氏はこの実験について、「再利用可能な宇宙船技術を検証する通常の宇宙船実験であり、宇宙船の利用コストを減らすうえで大きな重要性を持つ。人類が宇宙を平和利用するための便利で安価な方法を提供するもので、世界の多くの企業が同様の実験を行っている」と説明した。

また「帰還前に宇宙船から分離したのは宇宙船の補助装置であり、大気圏内に落下する過程で燃えて分解し、公海上に落ちた」とも述べた。

米下院軍事委員会のマイク・ギャラガー議員(共和党)はFTの報道を受け、極超音速ミサイル実験の件を「行動を促すきっかけ」とすべきだと指摘。もしバイデン政権が現在の慢心した姿勢を続ければ、米国は「共産党が支配する中国との新冷戦に10年以内に敗北する」可能性があると述べていた。

米国は現在、中国やロシアと極超音速兵器の開発競争を繰り広げている。

極超音速ミサイルはスピードが非常に速いため、長距離を飛行して厳重に防衛された空域を高速で通過し、迎撃される前に港湾や空港などの目標を攻撃することが可能となる。

ロシアと中国は極超音速兵器を開発中で、中国が2014年、ロシアは16年に初の極超音速ミサイル実験を実施した。一方、米国は艦船や地上、空中プラットフォームから使用する通常兵器型の極超音速ミサイルに注力している。

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