ナイジェリアの大都市ラゴス、水没の危機に 洪水と海面上昇で

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豪雨の後、冠水した道路を歩く住民=2020年7月、ナイジェリア・ラゴス/Adekunle Ajayi/NurPhoto/Getty Images

豪雨の後、冠水した道路を歩く住民=2020年7月、ナイジェリア・ラゴス/Adekunle Ajayi/NurPhoto/Getty Images

ナイジェリア・ラゴス(CNN) アフリカで最も人口が多いナイジェリアの住民は、毎年3月から11月に沿岸部の都市で発生する洪水には慣れっこだ。だが7月中旬、ここ数年で最悪の水準の洪水がラゴス島の主要な商業地区を襲った。

「洪水で道路は大渋滞だった。先へ進めば進むほど水位が上がってきて、しまいには車内にも水が入ってきた」と語るのは、ラゴス本土でメディア会社を経営するエセレボール・オセルオナメンさん。

SNS(交流サイト)に投稿された写真や動画には、集中豪雨後に浸水した何十台もの車がうつっていた。洪水により経済活動はまひし、その被害額は年間約40億ドル(約4400億円)に上るという。

ラゴスはナイジェリアの大西洋沿岸部の低地にある都市で2400万人以上が暮らしているが、科学的な予測によれば、気候変動による海面上昇に伴い、今世紀末には人が住めなくなる可能性があることが示唆されている。

英開発学研究所(IDS)を中心に行われた調査によると、この問題は「排水システムの整備が不十分なことや無秩序に都市が発達したこと」などにより悪化しているという。ナイジェリア水文サービス庁(NIHSA)は、雨季のピークとなる9月にはさらに壊滅的な洪水が発生すると予測している。

ラゴスは本土と島で構成されており、海岸線の侵食による洪水の被害を受けやすい。ナイジェリアの環境学者セイフンミ・アデボーテ氏は、浸食は地球温暖化に加え、砂の採掘といった長期にわたる人間の行動が主な原因であると指摘している。

ナイジェリア緊急事態管理局(NEMA)の広報担当者マンゾ・エゼキエル氏によると、ラゴスに隣接するビクトリア島ではすでに海面上昇によって沿岸が浸食されている。同島では現在、富裕層向けの新都市「エコ・アトランティック」の埋め立てが進んでおり、開発業者はコンクリートでできた全長8キロの護岸壁によって、同都市を海面上昇から守れるとしている。

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