アフリカ唯一の絶対君主が国外逃亡か、当局は否定 エスワティニ

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アフリカ連合(AU)首脳会議の参加のためボレ国際空港に到着したエスワティニの国王ムスワティ3世=2017年、エチオピア・アディスアベバ/Anadolu Agency/Anadolu/Getty Images

アフリカ連合(AU)首脳会議の参加のためボレ国際空港に到着したエスワティニの国王ムスワティ3世=2017年、エチオピア・アディスアベバ/Anadolu Agency/Anadolu/Getty Images

(CNN) アフリカ唯一の絶対王制国家、エスワティニ(旧スワジランド)を35年にわたって統治する国王ムスワティ3世が、民主化デモの激化を受け国外逃亡したとの情報が浮上している。ただ、同国当局者は逃亡を否定した。

南アフリカの公共放送SABCは28日、デモ隊が暴徒化して治安部隊と衝突する中、ムスワティ氏が国外逃亡したと報道。野党関係者は29日も引き続き国王が逃亡したと主張したものの、証拠は示していない。

エスワティニのテンバ・マスク首相代行は29日の声明で「国王陛下は今も国内におり、王国の目標を推進するため、自ら先頭に立って政府と協力している」と述べた。

デモが始まったのは1週間前。若者が街頭に繰り出し、投票権や憲法改正を求めた。

しかし政治団体「スワジランドの経済的解放の闘士」によると、治安部隊の暴力を非難する声が出る中で参加者1人が死亡し、デモが激化した。地元メディアの報道やSNSに投稿された動画によると、中部マツァパでは小売店などが放火される事態となった。

ムスワティ3世はアフリカで最後に残った国王で、議会や政府の他の部門に対して権力を行使している。

エスワティニの経済は苦境にあり貧困率も高いが、国王は一夫多妻生活や派手な暮らしぶりで知られ、2019年には妻15人のためにロールスロイスなどの高級車15台を購入した。

米経済誌フォーブスの08年の記事では、ムスワティ氏の資産総額は約2億ドル(現在のレートで約220億円)と見積もられていた。

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