エチオピア軍兵士らがCNN報道の病院を襲撃 人道危機のティグレ州

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献血を呼びかける文字が書かれた貼り紙=エチオピア北部ティグレ州・アクスムの病院内/Alex Platt/CNN

献血を呼びかける文字が書かれた貼り紙=エチオピア北部ティグレ州・アクスムの病院内/Alex Platt/CNN

(CNN) 武力紛争による人道危機が指摘されるエチオピア北部ティグレ州の古都アクスムで、CNNが先月取材していた大学病院が兵士らの集団に襲われた。医師らは取材に協力したことに対する報復との見方を示した。

病院のスタッフによると、機関銃や狙撃銃、手投げ弾で武装した兵士らが16日早朝、院内に突入して学生寮や病棟を襲った。手術室は汚染され、全ての外科手術が停止した。

スタッフや患者の一部は避難したが、兵士らは17日に再び侵入。医師らが匿名でCNNに語ったところによると、報道を通して「国家のイメージを汚した」者を探し出すと脅し、軍の調査に協力しない医師のリストを出せと迫った。

国際NGO「国境なき医師団(MSF)」もこの襲撃を確認し、数人の兵士らが病棟をひとつひとつ回って患者やスタッフを威嚇したと述べた。

病院の医師らは声明で、それでも取材に応じたことを後悔していないと強調。ティグレ州の住民が無政府状態のなかで生きていることを世界に知ってもらう必要があると主張した。

ティグレ州では先月、エチオピア当局の許可を得て活動するCNN取材班が、エチオピア軍兵士を装った隣国エリトリアの軍兵士らによって人道物資の搬入が阻止される場面を目撃。同21日には軍に封鎖されたアクスムに入り、病院のスタッフらにインタビューした。スタッフは取材班に、医療物資が欠乏した窮状を訴えていた。

兵士らの襲撃から2日たった18日の時点で、病院には動きの取れない数人の患者だけが残った。院内にとどまる医師の1人はCNNへのメッセージで、だれもが今後いつ拘束されるか、あるいは殺されるのかという恐怖におののいていると訴えた。

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