アジア系に対するヘイトクライム、世界中に存在 新型コロナで一層悪化

アジア系米国人に対するヘイトクライムが増加

ロンドン(CNN) 米アトランタのマッサージ店が銃撃されてアジア系女性6人が殺害された事件は、米国内で台頭する、アジア系に対する暴力に脚光を浴びせた。

だが問題は米国だけにとどまらない。英国からオーストラリアに至るまで、欧米系諸国では新型コロナウイルスの流行に伴い、東アジア系や東南アジア系の住民に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)が増えている。CNNの取材に応じたアジア系の少なくとも11人が、列車の中で周りにいた人が離れたり、ののしられたり、身体的暴行を受けたりするといった人種差別や外国人嫌悪の被害に遭ったと訴えた。

この1年、欧米諸国の政治家は繰り返し中国と新型コロナウイルス流行との関係を強調し、中国批判の論調を強めていた。そうした状況の中で、東アジア系や東南アジア系住民が人種差別の標的にされる事件が増えている。

英ロンドン警視庁の統計によれば、2020年6月~9月に発生した東アジア系住民に対するヘイトクライムは200件を超え、前年同期に比べて96%増加した。

英サザンプトン大学講師のペン・ワンさん(37)は、自宅近くでジョギング中に4人の男に暴行された。

ワンさんはCNNの取材に対し、男たちから「チャイニーズウイルス」などの人種差別的暴言を浴びせられ、怒鳴り返すと車から降りて来た男たちに殴る蹴るの暴行を受けて顔面を負傷したと証言した。この出来事をきっかけに外出が怖くなり、英国での自分の将来や、幼い息子の身の安全にも不安を感じるようになったという。

警察はこの事件に関連して、男2人を暴行容疑で逮捕した。

スペインの首都マドリードに滞在している中国系米国人のトーマス・シウさんは昨年3月、2人の男に人種差別的な暴言を浴びせられた。怒鳴り返すと意識を失うまで暴行され、1週間の入院が必要になったとシウさんは訴えている。

フランスでは今回の新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)をきっかけに、アジア系住民に対する人種差別が一層悪化したと関係者は指摘する。フランスでアジア系の40団体以上を統括する組織の広報を務めるサンレイ・タンさんは、「昨年以来、人種差別が一層あからさまになり、アジア人は好かないとか、中国人は好かないとか言われるようになった」と訴える。

同団体の推計によると、2019年はパリ圏内だけで2日に1件の頻度でアジア系に対するヘイトクライム事件が発生した。2020年の統計はないものの、マクロン大統領が昨年10月にロックダウン(都市封鎖)を発表した後に負傷させられた人がいるなど、多数の事件が発生しているという。

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