英、国防強化の方針表明 中ロの脅威念頭に核弾頭増強も

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英海軍の空母HMSクイーン・エリザベス=2018年10月19日、米ニューヨーク/Christopher Furlong/Getty Images

英海軍の空母HMSクイーン・エリザベス=2018年10月19日、米ニューヨーク/Christopher Furlong/Getty Images

(CNN) 英国のジョンソン首相は16日、軍事・外交政策の抜本的な見直しを表明する中で、ロシアを安全保障上の最大の脅威と位置付ける一方、地政学的な課題要因として中国にも言及した。これらの国々と対峙(たいじ)するため、英国は今後より多くの核兵器を製造し、宇宙やサイバー空間といった領域でも存在感を高める方針だという。

上記の目標を念頭に、英政府は国防予算を向こう4年間で240億ポンド(約3兆6000億円)増額することを求めている。2019~20年の国防支出は422億ポンドだった。

このほか科学技術の研究開発に150億ポンド、気候変動対策と生物多様性推進に170億ポンド超、新型コロナ対策に130億ポンドの予算をそれぞれ計上している。

一連の見直し計画を記した報告書では、最重要の課題としてロシアに言及。「ロシアは今後も英国にとって最も深刻かつ直接的な脅威であり続けるだろう」としたうえで、北大西洋条約機構(NATO)同盟国と連携しつつ軍事、諜報(ちょうほう)、外交での取り組みを織り交ぜながら対抗していく考えを明らかにした。

また抑止戦略の一環として、保有する核弾頭の数を260発に増やす方針も発表した。これまで掲げていた目標の180発から大幅に引き上げることになる。

報告書では米国との防衛面、経済面での連携を再確認するとともに、インド太平洋地域をめぐる情勢の変化にも注意を向けた。

具体的には中国が複数の課題を地域にもたらしているとし、同国の国力並びに国際的影響力の増大が「20年代で最も重大な地政学的要因となる公算が大きい」と分析。中国政府は「英国の経済安全保障にとって国家レベルでの最大の脅威だ」との見方を示した。

報告書の発表の後、議会で演説したジョンソン首相は、新疆ウイグル自治区での大規模強制収容や香港の民主活動家への対応をめぐって中国政府を批判する一方、経済関係の構築や気候変動対策などの取り組みでは同国と協力する必要があるとの認識を表明した。

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