地中海で転覆のボートから結婚指輪、持ち主カップルに返還へ

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イタリアのランペドゥーサ島。欧州入りを目指す移民や難民が最初に上陸する地の1つだ/Fabrizio Villa/Getty Images

イタリアのランペドゥーサ島。欧州入りを目指す移民や難民が最初に上陸する地の1つだ/Fabrizio Villa/Getty Images

(CNN) 地中海で先月転覆し、漂流していたボートから、数週間後に1組の結婚指輪が見つかった。ボートに乗っていて助かったカップルが持ち主だったと分かり、指輪は無事に返還される見通しになった。

国際NGO「国境なき医師団(MSF)」のイタリア支部によると、ボートは先月中旬、20人を乗せてリビアからイタリアへ向かったが、出航後28時間で転覆。乗客全員が海へ投げ出され、幼い少女を含む5人が死亡した。

20代前半のアルジェリア人カップル、アフメドさんとドウドウさんは漁師に助けられたが、今もショックから立ち直れずにいるという。

難民支援団体の救助船が今月9日、沈みかかったまま漂流していたボートに遭遇。船上に残された赤いリュックサックを発見した。中には着替えや電話の充電器とともに、名前入りの結婚指輪が入っていた。

同団体はリュックの写真をソーシャルメディアに投稿し、生存者を支援しているMSFなどにも送った。

地中海の救助船が海上で落とし物を回収することはよくあるが、持ち主は見つからなかったり、すでに亡くなったりしているケースが多い。

MSFイタリア支部の担当者も、過去9年の救助活動で返還できたという話を聞いたことはなかったという。今回も無理だろうと思っていたが、写真を見た同じボートの乗客から連絡があった。アフメドさんに直接尋ねたところ、リュックに入っていたのは2人の指輪だと確認された。少し不具合があったため、欧州で修理に出すつもりでリュックに入れていたという。

同担当者によれば、アフメドさんは指輪が見つかったことを喜ぶ一方、目の前で亡くなった5人のことが今も頭から離れないと話している。

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