デンマーク政府、全ミンクの殺処分命令を撤回 法的・科学的根拠に疑問

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デンマーク政府が国内で飼育している全ミンクの殺処分の命令を撤回した/Ole Jensen/Getty Images

デンマーク政府が国内で飼育している全ミンクの殺処分の命令を撤回した/Ole Jensen/Getty Images

(CNN) デンマークで毛皮用に飼育されているミンクから新型コロナウイルスの変異種が見つかった問題で、デンマーク政府は国内で飼育されている全ミンクの殺処分を義務付けるとした命令を撤回した。

感染していない農場にまでミンクの殺処分を命じる法的権限はないと判明したことを受けた措置で、改めて殺処分を義務付けるための新しい法案を議会に提出する。法案が通過するまでには通常で30日を要する。

政府が繁殖農家に宛てた10日の電子メールでは、全ミンクの殺処分を「勧告」するにとどめた。

政府は10月1日に、感染が確認された農家や感染の疑いのある農家から半径7.8キロ以内の範囲でミンクの殺処分を命じ、農家は命令に従って殺処分を進めていた。

しかし感染が確認されていない農家にまでミンクの殺処分を命じる権限があるのかどうかをめぐって疑問が浮上、政府は法的権限がないことを認めた。

政府の殺処分命令は、感染したミンクでウイルスの変異が発生したことを受けた措置だった。政府によると、コロナウイルスは200以上のミンク農家で発見され、人間12人から変異種のウイルスが見つかっていた。

ただし、新型コロナウイルスが変異するのは普通のことであり、今回の変異に重大性があるのかどうかは現時点ではっきりしない。このため政府の命令の科学的根拠を疑問視する声も出ていた。

殺処分が始まる前の時点で、デンマークでは1500万匹あまりのミンクが飼育されていた。

進行中の殺処分については、ミンクを大きな箱に入れ、ガスを送り込んで殺すやり方に対して懸念も浮上している。8日夜には殺処分がうまくいかず、箱に詰められた大量の死骸の中で生き残った1匹がもがき苦しむ映像が出回った。

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