レムデシビルに新型コロナ治療の効果認めず WHO臨床試験

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WHOはレムデシビルが新型コロナの治療に効果が「ほとんどあるいは全くない」とする臨床試験結果を発表した/Photo by Ulrich Perrey/Pool/AFP/Getty Images

WHOはレムデシビルが新型コロナの治療に効果が「ほとんどあるいは全くない」とする臨床試験結果を発表した/Photo by Ulrich Perrey/Pool/AFP/Getty Images

(CNN) 世界保健機関(WHO)は抗ウイルス薬のレムデシビルについて、新型コロナウイルス感染症で入院した患者の死亡率に対する影響は「ほとんどあるいは全くない」とする臨床試験結果を発表した。患者の回復を早める効果もないようだとしている。

レムデシビルはこれまで、新型コロナウイルスに対して効果があると見られていた唯一の医薬品だった。米食品医薬品局(FDA)も、新型コロナウイルスの治療薬として唯一の緊急使用許可を出していた。

WHOの研究結果は査読を受けた医学誌には発表されておらず、査読前の電子版に掲載された。

WHOの臨床試験は世界30カ国のコロナウイルス患者1万1000人あまりを対象に実施。レムデシビルのほか、ヒドロキシクロロキン、HIV(エイズウイルス)治療薬ロピナビルとリトナビルの併用、インターフェロンの3種類について効果を検証した。その結果、いずれも患者を延命させる効果や、退院を早める効果は認められなかったとした。

これに先立ち米国で実施されたレムデシビルに関する大規模対照調査では、成人の重症患者に使用した場合、回復までの時間を約3分の1短縮できるという結果が出ていた。ただし軽症の患者にはほとんど効果がなかった。

レムデシビル(製品名ベクルリー)を製造する製薬会社のギリアド・サイエンシズはWHOの研究結果について、レムデシビルに全く効果がないという意味ではないと述べ、「ベクルリーの有効性は、無作為に実施された3回の対照臨床試験で実証されている」と強調した。

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